いざ物件を売却したいと思っても、専門家でなければ、どのようなアクションを起こせばよいのかわからないことばかりのはず。そこで大まかな物件売却の流れを、前編・後編に分けてご紹介します。前編では「売却前の準備から不動産会社に依頼するまで」についてのお話でした。

 

後編の今回は「購入希望者の対応から物件引き渡しまで」を、引き続き、武蔵野不動産相談室株式会社 代表取締役/不動産コンサルタントの畑中学(はたなか・おさむ)先生に伺います。

——不動産会社と契約し、物件を売り出したあとの流れを教えてください

「まず、『購入希望者が物件を見に来ること(=内覧)』になります。その際はとにかく『明るく』『広く』『きれいに』の3点を心がけましょう。カーテンは開け、各部屋の照明もつけてください。リビングルームだけでなく、玄関からすべてつけておいた方が好印象です。また売り主として当日立ち会う場合は、きちんと購入希望者に応対してください。

 

物件が売れるかどうかは、売り主の印象に左右されます。私が経験した事例ですが、せっかく購入希望の方が内覧に来たのに、売り主がずっとテレビを見ていたことがありました。結局、その購入希望の方は『売り主の印象が悪い』ということでその物件を買わなかったのです。これから売り主になる方は、ぜひ気をつけてください」

——購入希望者が物件を気に入った場合はどうなりますか?

「『いくらで買う』『こういう条件で買う』という内容を記した『購入申込書』が送られてきます。条件が折り合えば、『売買契約』に進みます。その際は契約締結日の2日前くらいに契約書を取り寄せ、条件やスケジュールといった契約内容に間違いがないか確認しておきましょう」

——契約後から引き渡しまでに注意すべきことはありますか?

「不動産売買の契約には『無条件に契約を解消できる期限』があり、例えば『買い手側に住宅ローンが降りなかった』場合などに適用されます。そのような事情で契約がなくなってしまうこともありますから、私はいつも売り主に『この期限が過ぎるまでは一切動かないでください』と伝えています。

 

これを守らずに近所の人たちと送別会を開いてしまったご家族があり、突然契約が解消されてしまった時には大変苦労されました。幸い、すぐに別の買い手を見つけることができたので無事にすみましたが……」

 

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契約が正式に成立後、住宅ローンがあればそれを清算する手続きを行い、売り主は引っ越しをすることになります。なお、畑中先生によれば引っ越しが終わったあと、必ず買い手と「残していくもの(残置物)」を現地で一緒に確認した方がよいとのこと。

 

売り主と買い手の認識はたいてい食い違っており、この確認をしないと、しばしば買い手から「こんなものを置いていかれては困る」という苦情が後日になって出るそうです。今回の記事をぜひ物件売却の参考にしてくださいね。

《取材協力》

武蔵不動産相談室株式会社 代表取締役/不動産コンサルタント
畑中 学 先生

2018年1月に新著「家を売る人・買う人の手続きがわかる本」が発売されている。

公式サイト http://www.mf-soudan.com/contents/outline.html