不動産を売ったり買ったりする際に、ときどき出てくる「減価償却」という言葉。簿記や会計、自分でビジネスをしていなければあまり縁のないこの用語が、実は不動産には深く関わっています。今回はそんな「減価償却」について、武蔵野不動産相談室株式会社 代表取締役/不動産コンサルタントの畑中学(はたなか・おさむ)さんに伺いました。

 

 

建物には減価償却があるが、土地にはない

——そもそも「減価償却」とはなんですか?

 

「まず大前提として自分でビジネスをやっておらず、単純に住むための家を買ったり売ったりするだけの人は、あまり『減価償却』について考える必要はありません。一方、いわゆる会社などを経営している方やアパート・マンションを購入して家賃収入を得ている『不動産投資家』にとって、減価償却はとても大切なものです

 

さて、『減価償却』とは『ものは使うと価値が目減りするので、それを経費とみなそう』という主に税務上で使われる言葉です。だから、いくら使っても目減りしない『土地』には減価償却がなく、アパートやマンションといった『建物』には減価償却があります」

 

減価償却費は経費になる

——「減価償却」は「経費」になるわけですか?

 

「そうです。おおまかに言うと建物を取得した金額を法律で定められた耐用年数で分割した金額が、毎年の減価償却費という経費として認められます。これはあくまでわかりやすくするためのたとえ話ですが、たとえば5000万円で購入したアパートの耐用年数が20年だと、毎年250万円が減価償却費(=経費)になります。

 

ビジネスをしていると売上から経費を引いた金額(=利益)に税金がかけられますね? 減価償却費は実際にかかった経費ではありませんが、まるで経費のように売上から差し引くことができます。つまり、その分だけ払う税金を減らせるというわけです。なお、どれだけ減価償却できるかは木造・鉄骨・RCなど建物の構造によっても変わります」

 

減価償却費は売却した時点で復活する

——払う税金を減らせるなら、とても大切ですね!

 

「はい。特に不動産投資家にとっては家賃収入という売上から、減価償却費を経費として差し引くことができるので大変重要です。ちなみに減価償却費は不動産を売却した時点で復活することもポイントです。

 

耐用年数を過ぎてほとんど減価償却できなくなってしまった建物でも、別の方が新たに購入する際には再評価することで減価償却ができるようになり、別の方の経営上のプラスにできます」

 

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畑中さんによれば、上記の「建物の再評価」は税務署に認めてもらう必要があるので、不動産鑑定士や税理士などに相談する必要があるそうです。将来的に不動産を投資家に売却する場合や自分で不動産投資を始める際には、ぜひこの話を思い出し、専門家に相談してみてくださいね。

 

 

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《取材協力》

武蔵不動産相談室株式会社 代表取締役/不動産コンサルタント

畑中 学 さん

 

2018年1月に新著「家を売る人・買う人の手続きがわかる本」が発売されている。

 

公式サイト http://www.mf-soudan.com/contents/outline.html