不動産を売却したいのに権利証が見つからない! どうすればいい?

不動産の所有者に交付される「登記済証及び登記識別情報」。いわゆる権利書が見つからない場合、不動産を売却することはできるのでしょうか。対策方法を司法書士法人オーシャンの社員執行役員、渋谷支店 支店長で司法書士の山﨑 亮太郎さんに伺いました。

 

権利証を紛失してしまうと、どんなことが起きる?

 

──まず権利証とは、どんな書類のことをいうのでしょうか。

 

「実際には権利証という書類は存在しておらず、登記済証又は登記識別情報のことを権利証と言っています。ただ、平成16年に不動産登記法が改正され、現在はデータで不動産の権利関係が管理されることになり、登記済証は発行されなくなりました。データ管理に用いられるのが12桁の暗号になり、これを登記識別情報といいます。登記済証や登記識別情報を持っている人が本人だと推定ができ、不動産所有を認めることができる証拠書類の一つとなります。ほかには登記事項証明書や納税通知書なども、証拠書類となります」

 

──権利証を紛失してしまうと、所有権を失うことがあるのでしょうか。

 

「権利証は不動産の所有を認める証拠書類の一部にすぎないので、権利証をなくしたからといって、不動産の所有権を失うわけではありません。ただし再発行はできないので、不動産売買の際には手続きが必要になります」

 

紛失した際の手続き方法

 

1、司法書士が「本人確認情報」という書類を作成し、本人確認を行う

 

司法書士が身分証明書の確認や聞き取り調査などによって、一般的に「本人確認情報」といわれる書類を作成することで本人確認を行う方法。司法書士が売買等の名義変更の申請をする際に作成する。費用は5万円~10万円が一般的。

 

2、委任状に公証人の認証をうける

 

不動産の名義変更の申請書(司法書士が代理で手続きをする場合は司法書士への委任状)に公証人役場で認証をうけ、本人確認を行う方法。認証はすぐに完了するが、公証人役場へは事前の予約が必要な場合もある。費用は数千円程度。

 

3、法務局による事前通知制度を利用する

 

不動産売買等により法務局へ名義変更を申請する場合は、登記済証か登記識別情報を出すが、紛失によって出せない場合は、申請した後、法務局から売主へ通知が出される。その通知に原則として法務局の発送より2週間以内に実印を押して送り返すことで、本人の申請に間違いないという確認ができ、名義変更が可能になる。費用負担はなし。

 

 

──この3つの方法だと、どれを選ぶのが適切なのでしょうか。

 

「不動産売買のように大きな金額が動く場合は、司法書士による本人確認を行うことが一般的です。事前通知制度は不動産売買の場合はほとんど使われることがありません。売主が法務局へ返信をしなかった場合、登記申請が却下されてしまうという危険性があるため、銀行が融資を行ってくれないケースがほとんどです」

 

紛失をしたとしても、しかるべき手続きを踏むことで、不動産売買は問題なく行えるそうです。しかし登記済証や登記識別情報が重要な書類であることには変わりありませんので、きちんと保管するようにしましょう。

 

 

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《取材協力》

司法書士法人オーシャン

社員執行役員 渋谷支店 支店長

司法書士 山﨑 亮太郎 さん

https://www.ocean.jpn.com/