みなさんも一度は耳にしたことがあるかもしれない、『不動産を売却して収益が出ると、年金が減ってしまう』という噂。本当なのでしょうか? 今回は、その真相を解明すべく、不動産鑑定士・一級建築士の中山聡さんにお話を伺いました。

 

不動産売却による年金減額はありうる?

 

不動産を売却すると年金が減額されることはあるのでしょうか。早速、噂について中山さんにお聞きしました。

 

「不動産売却によって一時的に収入が増えることで、年金が減るのではないかと懸念する方がいるようですが、基本的に年金が減ることはありません。年金というのはご自身が積み立てているものを、老後に受け取ることができる仕組みですから、不動産売却による収益で支給額が変わることはないのです」

 

このような噂がまことしやかに騒がれるのは、誤解されやすいポイントが2つあるからではないかと中山さんはいいます。その2点について解説いただきました。

 

老齢年金は労働による所得で減額されることがある

 

「老齢年金を受給できる年齢になっても働いている場合、厚生年金に加入しなくてはならなくなります。そして厚生年金の被保険者が老齢厚生年金をもらう場合は、給与の額と年金の額に応じて年金の一部が支給停止になることがあるのです。このイメージから、収入が増える=年金が減額されると考えている方がいるのかもしれません」

 

障害年金は不動産売却によって影響を受ける可能性がある

 

「年金と一言で言っても、さまざまな種類があります。そのなかでも福祉の性格の強い『障害年金』は、不動産売却による収益で減額になる可能性があります。老齢年金は自分で積み立てたお金を老後に受け取るものですが、障害年金はそれとは違い、自身が障害を負って思うように働けなくなってしまった時に、生活を保障するものです。つまり、不動産売却によって収益が増えると、その収益によって生活が担保されるとみなされ、減額の対象になる可能性があるということです」

 

勘違いしやすいポイントがあるものの、不動産売却によって老齢年金が減額になることはないそうです。老齢年金を受給中の方も安心して売却をすることができるようですので、売却を考えている物件がある方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

 

 

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《取材協力》

不動産鑑定士・一級建築士 中山聡先生

わくわく法人rea東海北陸不動産鑑定・建築スタジオ株式会社代表取締役。

空き家管理のNPO法人空き家管理サービスあじさい理事。

著書には「闘う! 空き家術」など多数

http://rea-tokaihokuriku.com/