不動産を売却した場合、その利益は給与などとは切り離して課税されることになります。売却後に確定申告をする必要があるのですが、どのようなやり取りが発生するのか、どのくらいの税金が発生するのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、株式会社不動産投資の教科書代表の八木チエさんにお話をお伺いしました。前編となるこの記事では申告の期間や、種類、罰則など基礎的な部分をご紹介します。

 

 

──不動産を売却した際、必ず確定申告をしなくてはいけないのでしょうか。

 

「不動産売却における確定申告には、売って利益が出た場合の“譲渡所得”と、売って損をした場合の“譲渡損失”の2種類あるんです。

 

譲渡所得の場合は、確定申告をしなくてはいけませんが、譲渡損失に関しては、申告の義務はありません」

 

──不動産を売却して損失が出る場合もあるのですね。

 

「はい。単純な例を挙げますと、例えば、2000万円で住宅を購入した場合、10年間所有した住宅が1000万円で売れた場合、1000万円が譲渡損失となります。ただ、購入時や売却時の諸経費などを計上することができますので、もう少し金額が増えます。

 

詳しい計算方法は後編の実践編でご説明させていただきますね。なお、不動産の売買は、タイミングやエリアなどによって大きく変動することがあるので、利益が出る場合もあれば損失する場合もあります」

 

──なるほど。損失が出た場合も確定申告した方がいいんでしょうか。

 

「損失が出たタイミングにこそ、しっかりと申告していただきたいですね! 物件の所有期間が5年以上、所得が3000万円以内などといった条件はありますが、給与所得などの所得と損益通算して税金を還付してもらうことができます。また、その年に還付しきれなかった場合、最長3年間繰り越して還付を受けることができるんです。つまり、不動産の売却で700万円の損失が出た場合は、

 

年収300万円の人なら、翌年は300万円(年収)-700万円(損失)=▲400万円となり、所得税額ゼロ、源泉徴収額全額が還付されます。

 

翌々年も300万円-400万円(損失の700万円から前年度の300万円分を引いた額)=▲100万円で前年度同様、全額還付。

 

その次の年は300万円-100万円=200万円となり源泉徴収額の一部が還付されるんです。損失が出た場合にこそ、しっかり申告して少しでも損失分を取り戻しましょう」

 

──利益が出た(譲渡所得)場合、期限内に確定申告ができなかったらどうなってしまうか教えてください。

 

「確定申告はふつうの白色申告と同じです。期間も、前年度に発生した利益を次年度の2月26日〜3月15日の間に申告する必要があるのですが、期限を過ぎてしまうと法律違反となってしまい、延滞税が発生するので注意しましょう」

 

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意外と知らないことが多い、不動産を売却した際の確定申告。内容をしっかりとチェックして申告するようにしましょう!

 

 

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《取材協力》

株式会社エワルエージェント 代表取締役

八木 チエさん

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランナー。大学卒業後7年間IT会社の営業を経験後、弁護士事務所に転職。海外の投資家への日本の投資用不動産販売の新規ビジネスの立ち上げを経験後、不動産投資の情報を正しく伝えたい、もっと多くの人に不動産投資の魅力を知ってもらいたいと思い、2014年に業界初の不動産投資に特化したオウンドメディア「不動産投資の教科書」の立ち上げと同時に、株式会社不動産投資の教科書を設立。4年間代表をつとめたあと、2018年に不動産投資に関わるすべての悩みをいつでもどこでも簡単に相談できる、投資家とエージェントを繋ぐマッチングサービス「Estate Luv」を運営する株式会社エワルエージェントを設立。

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