土地を売却するまえに確認しておきたい水道管のルール

住宅を建てようと土地を購入する場合や自身の土地を売却しようとする場合、土壌や地質、地盤や交通の利便性などが価格に影響を与えることを知っている人は多いでしょう。これらのことを念頭に置いて、価格を検討する人は少なくないと思います。

 

しかし、土地の売却や購入にあたって、意外に価格を決める要因になるのが水道管の問題です。水道管の敷設の状況次第で、土地が売れない、土地の価格が低く抑えられるといったことが起こってしまうのです。

 

そこで、今回は、土地売却と水道管の関係についてお話し致します。

水道管の状況は土地売却時の価格に大きく影響する

 

土地に埋設されている水道管の状況は、土地の価格を左右する大きな要因となります。例えば、敷地内に水道管が引き込まれていないケースです。そんなことがあるのかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その土地がもともと宅地ではなく水田や畑であった場合には、このようなことが起こりえます。

 

このようなケースで新たに水道管を引き込む場合、その工事費の負担は買主が負うこととなります。こうした想定外の費用負担が生じてしまうため、土地の価格は低く抑えられてしまうのです。

 

隣の敷地を通る水道管は引き直すべき

 

水道管は、そもそも敷地前面の道路に埋められている本管からまっすぐ敷地内に引いてくるのが原則となっています。しかし、水道管が隣接する他人所有の土地を通って敷地内に埋設されている場合や、逆に他人の土地に引かれている水道管が自身の土地を通っている場合があります。

 

敷地の位置関係や権利関係、あるいは過去に生じた事情(例えば土地の分筆など)によって、他人の土地を経由して自身の土地に水道管が引き込まれている場合があるのです。

 

このようなケースでは、水道管に問題が生じた場合、その水道管を引いている土地の所有者が法的な責任を問われる危険性があります。水道管は、土地の所有者の個人財産と考えられているためです。

 

最も起こりやすいのは、その水道管が隣接する土地で漏水したり破裂するケースです。この場合、漏水や破裂が生じた土地の所有者に損害が発生することも少なくありません。水道管を引き込んでいる土地の所有者には、損害が発生した隣接地の所有者に賠償すべき責任が発生します。

 

このようなことを避けるためにも、土地を購入した場合には、水道管の引き直しをすることが必要です。基本的には、水道管の埋設状況は、水道局の埋設状況図面で確認することができます(注:完全に実際の埋設状況と一致しているわけではありません)。

 

また、不動産売買契約書の重要事項説明書でも確認される事項となっています。

これらの図面や書面で確認の上、隣地を水道管が通っていることが判明した場合には、費用は掛かりますが、引き直し工事をすることが必要です。

 

トラブルになる前に水道管をチェックしよう

 

土地売却時に買主に伝えていた水道管の埋設状況と実際の埋設状況が異なっていた場合、売主が引き直し工事に掛かった費用の填補を買主から求められることもあり得ます。

 

また、先ほどもお話しした通り、隣接地を通っていた水道管が破裂・漏水した場合に、隣地の所有者に生じた損害を賠償する責任を負うことになってしまいます。このようなトラブルにより大きな責任を負わなくて済むように、自身の土地の水道管の状況はきちんと確認しておきましょう。

 

今回は主に埋設状況の問題点についてお話ししてきましたが、水道管には他に口径や老朽化、耐震性の問題などもあります。大きなトラブルが生じる前に、事前に問題がないかどうかチェックすることをお勧めします。

 

 

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≪執筆者≫

寺林 智栄 弁護士

2007年弁護士登録。東京弁護士会所属。法テラス愛知法律事務所、法テラス東京法律事務所、琥珀法律事務所(東京都渋谷区恵比寿)を経て、2014年10月開業。刑事事件、離婚事件、不当請求事件などを得意としています。

ともえ法律事務所

事務所URL:http://www.tomoelaw323.com/

 

 

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