中尾彬さんに聞く!
終活で家を売却するコツ

マイナビ賃貸が運営する不動産売却一括査定サイト「ソクうーる」が始まって1年になります。そこでオープン1周年特別企画として中尾彬さんにインタビュー。

 

中尾さんは2018年4月、奥様の池波志乃さんとの共著『終活夫婦』を出版されました。同書は、二人で身軽に楽しく今後を生活していくため、「お墓を建てる」「遺言状を作成する」「要らないものを処分する」といった夫婦で身辺整理を始めたことなどが盛り込まれた1冊です。今回は、そんな“終活”の一環として行った「不動産売却」についてお話を伺いました。

不動産を売却するなら即行動。
そのためにも事前に家族で価値観を共有しておくことが大事。

一番大きいモノから片付けようと思い、家の売却に踏み切った

──まずは終活を始めたきっかけを教えてください。

 

12年ほど前、私と妻の志乃がほぼ同時期に大病を患い、その間におふくろが亡くなったりしてね。その頃から志乃はこれまでの生活を一度整理した方がいいと思っていたらしい。その5~6年後、「そろそろ考えてみない?」と私に話してくれた。たぶん、心身共に弱っていた時だったら拒否反応を示したかもしれないけれど、すっかり元気だったから、自然に「そうだな」という気になった。それが終活の始まり。もっとも私たちは終活という言葉など知らなかったんだけれども。とにかく、どちらかが亡くなった時、「これからどうしよう」とおろおろするのが一番みっともない。だから、身辺をきちんとして誰かに迷惑をかけないようにしておこうということで、人生の終わりの準備を始めただけなんだ。

 

最初に「遺言書を書こう」。次にお墓を建て、さらに余分なものも2人が元気なうちに処分しておこうということになり、一番大きいものからということで、木更津と沖縄の家の処分から始めた次第です。

 

 

──東京の自宅のほか、千葉県の木更津にアトリエがあり、沖縄にはセカンドハウスとしてマンションを所有されていたんですよね。

 

そう。夫婦2人で不動産が3軒もあってどうするんだと(笑)。

木更津のアトリエは築30年以上の一軒家。ある日、行ってみると窓ガラスが割れ、屋根も壊れていて、修理をお願いしようと思ったら500万円くらいかかると言うんだ。それもそのはず、友人のデザイナーが私の要望を受けて設計してくれた家だったから。ガラスなどは、ほとんど特注品だったからね。

 

だから修理して使うか、それとも売るか。ちょっと迷っていたら、不動産屋さんの方から「売ってくれませんか」と声をかけてきた。どれぐらいの価値があるかを知りたいというのもあって査定してもらったら、現状のまま売るのと、撤去料を払って更地にして売るのと、ほとんど変わらない値段。家の解体にそんなにお金がかかるのかと驚いたね。2人で話し合って、やはり売ろうと言うことになり、結局、更地にして売却する方法を選択したんだ。

 

 

──査定をしてもらった不動産会社の数は?

 

最初に声をかけてくれた1社だけ。解体作業も撤去した後の廃棄処分もすべて責任を持ってやってくれること、また、その際にはきちんとご近所にあいさつすることなどを条件にお願いしました。ご近所にご迷惑をかけるようなことはしたくなかったのでね。アトリエ内にあった不要なものは自分たちで処分しました。

 

 

──なるほど。そして、沖縄のセカンドハウスまで売却しようと思われたのはなぜですか? 一時期は沖縄を終の棲家にしようというお考えもあったようですが。

 

そうなんだよ。でも、志乃が江戸っ子で先祖の墓も東京にある。利便性も考えたら、生涯住むのはやはり東京がいいと判断したんだ。

 

木更津を売却した勢いに乗って、一気に整理してしまおうということになり、沖縄のマンションも売ることにしました。間が空くと面倒になって「もう、売らなくてもいいや」となりかねないからね。

 

実は2002年に買った沖縄のマンションに15年ほど住んでいたのですが、もう少し広いところにしようと言って、買い換えたばかりの物件でした。120平方メートルのほぼ新築で、観光地にほど近い、見晴らしのよいマンションだったので、買った時より少し高く売れたよ。

 

今回は、大手不動産会社を4社ほどピックアップ。査定の日を1日設け、志乃が1社ずつ面談しました。どこの不動産会社も金額はだいたい同じだったね。でも、会社ごとにわが家のどこに価値を見出して、その価格を算出したかは違ったらしい。そこが面白いものだなと。志乃と相談して1社を選び、すべてをお願いしました。

 

 

──最終的には4社から何を基準にして1社を選んだのでしょうか。

 

志乃は「イケメンがいいわ」なんてことを冗談で言っていたけどね(笑)。会社の実績や業績も念入りに調べていたようです。それらと、志乃が面接で聞いた「わが家の価値の見出し方」、それと担当者の人柄。木更津の時と同じように、売却までの書類手続きやら後処理やらをすべて任せたかったので、信頼できる人かどうかはとても大切なことでした。

 

そうそう、最初の4社ですが、大手ということだけでなく、東京に本社があるかということも大きなポイントでした。地元でよさそうな会社もあったのですが、その後の契約などの手続きは東京で行いたいという希望がありましたから。だから、東京本社の不動産屋さんというのも私たち夫婦にとっては大切な選択基準になりました。

打ち水をしたように清々しい気分!

──売却で大変だったこと、また、大きな財産を2つも手放して未練はないですか?

 

売却で大変だったことは何もないですね。大変だと思ったらやってないですよ。木更津のアトリエも体力的に通うのが厳しくなってきていたし、沖縄も楽しむために行っていたはずが、いつしか掃除をする目的で行くようになってしまって志乃も疲れていたからね。今も沖縄に行くけれど、その際はホテルに泊まるんです。家は手放しても友だちはいるからね。彼らこそが私たちの財産ですよ。まあ、それで十分だと思えるようになってきたから売ろうと思ったわけで。

 

だから、未練なんてなく、むしろどこかほっとしています。軒先に打ち水した後みたいなすっきり感があって、清々しい。志乃もささくれだったものが消えたみたいだと言ってました。

 

家だけでなく、家具や家電をはじめ、写真1万枚以上、僕がいつも首に巻いている“ねじねじ”200本、それ以外にも大量にあった食器や洋服も業者に引き取ってもらったりして処分しました。困ったのは書籍。捨てるには忍びない江戸川乱歩の初版本の全集などもあったのですが、志乃がインターネットで欲しい人の手に渡りやすい古本屋を見つけてくれ、何とかなりました。

 

──もう処分するものはなさそうですね。

 

今のところ、ないね。その代わり、欲しいものはまだある(笑)。さすがに若い頃ほどの物欲はないけどね。だから、最近は、「二晩寝て考えて欲しかったら買う」というルールを設け、やみくもにものを増やさないようにしています。本当に必要なのかどうかを考える余裕ができたことで、逆に心は豊かになった気がしますね。

料理の時短は嫌いだけど、不動産情報の時短は大歓迎!

──マイナビ賃貸「ソクうーる」は不動産売却一括査定サイトです。一気にまとめていくつもの会社の査定結果を知ることができるのですが、ご存じでしたか?

 

そもそも私自身は、インターネットを全然使わないので正直、知らなかったね。志乃も知らなかったと思う。たぶん、知っていたら、彼女は絶対利用しているはず。元来、時短というのはあまり好きではない。特に時短料理とかいうけど、時短でうまいものが作れるはずがない。料理は手間をかけることでうまさを引き出すわけだから。でも、不動産情報や査定金額を知るための時間が短縮されるのは大いに結構。大歓迎だよ。だって、いくらで売れるのかということは一刻も早く知りたいこと。しかも何社もの査定金額が一度にわかるのはありがたいよね。悔しいな、もう少し早く知っておきたかった。

 

──そう言っていただけるとうれしいです。では、最後に家をこれから売りたい人にアドバイスをいただけますか。

 

なぜ売りたいか、なぜ売るのか。はたまた本当に売る必要があるのかなど、売る以前のことを家族でとことん話し合っておいたほうがいい。根本のところの価値観を共有していないと、いざ不動産を売却する段になっていろいろ選択を見誤ってしまう恐れがあるからね。うちは毎晩、2時間かけて夕食を食べているんだけど、その間にとにかく志乃と話すんですよ、いろんなことをね。それで互いの思いを共有しているからこそ、すべてうまくいったんだと思います。

 

それと、本当に売るとなったら即行動。こういうことはグズグズしているとよくない。私も2か月の間に、2つの物件を売却したんだから。それぐらい勢いを持って臨むとスムーズに行くと思うよ。それこそ、「ソクうーる」を活用してまとめて査定してもらうのが一番ですね。

 

──貴重なお話ありがとうございました。