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「急な転機がきまった」「親から物件を相続した」「いま物件管理をお願いしている管理会社を変更したい」など、自身の物件を賃貸物件として運用したいが、何から始めていいのか分からない方も多いのではないでしょうか? ここでは、”初心者オーナー”が始めて物件を貸しに出す際の手順や仕組みや、入居者募集について、具体的事例を交えて公開。失敗しない賃貸経営を実現するノウハウを紹介します。

第4回:初心者オーナー向け 初めての物件管理ガイド

2年前

物件過剰の時代なのに、借り手が殺到!「留学生向け寮」の魅力に迫る

築年数のたったマンション、アパート、社員寮の活用方法のひとつに「留学生向け会館(寮)」がある。新小岩駅の『新小岩留学生会館』では現在本館(52部屋、男子のみ)と別館(22部屋、女子のみ)で、中国、ベトナム、台湾の留学生が暮らしている。「留学生の数は年々増えています。ですが、留学生に対応した物件は全く足りていません」と住友林業レジデンシャル株式会社 プロパティ事業本部の細田大輔さん、趙金軍さん。留学生向け会館ではリフォーム費用をほぼかけずに貸し出せる場合もあり、初期費用を大幅に抑えられるのもオーナーにとっては大きな魅力だろう。人気の秘密について伺った。

新小岩学生会館外観。もともとは社員寮だった

入学式が年4回!「日本語学校」への入学はひっきりなし

学生会館入り口。大きなリフォームを行わず貸し出しを行っている

――こちらの会館で暮らす学生さんは、大学生ですか?

趙:日本語学校に通っている学生さんが8割ですね。留学生は大学や大学院に入る前に、日本語学校に入るんです。特に寮の年齢制限はないですが、二十歳前後の学生さんが多いです。部屋はほぼ満室ですね。

寮はほぼ満室で、靴箱には学生さんの靴が並ぶ

――満室とはすごいですね。

趙:日本語学校は1,4,7,10月と、年に4回入学時期があるんです。その都度会館には学生さんが入ってきます。多いのは4,10月ですが、2017年1月も30人の学生さんが入ってきました。また、日本の学校は3月卒業のところがほとんどですが、海外の場合、卒業月もさまざまですから。

新小岩留学生会館で暮らす学生さんたち

――「3月末までに学生さんが入居しない場合、しばらく空室になる可能性がある」日本の学生向け物件と状況が違い、通年で留学生からの入居ニーズがあるのはとても魅力ですね。学生さんはどういった経緯で、御社の留学生会館を選ばれるんですか?

趙:当社はいくつかの日本語学校と提携していますので、学校から紹介してくれるんです。その紹介が6割ほど、留学生向け物件を扱うエージェント経由が3割、あとは留学生同士の口コミが1割ほどですね。

もともと社員寮だった物件をドミトリー形式として提供

趙:こちらの会館はもともと社員寮で、現在は1部屋に2人で暮らすドミトリー形式で提供しています。

食堂の奥は共同のキッチンになっており、取材中、食材を持ち込み昼食を作る学生さんも

――社員寮以外だった、一般的な賃貸物件を留学生会館として提供するケースもあるんですか?

趙:はい、多いですよ。「個室に住みたい」という留学生も増えてきていますので。社員寮だったケース、一般賃貸物件だったケース、どちらでも対応させていただいています。この『新小岩留学生会館』から徒歩圏のところには、個室中心の留学生向け会館『新小岩留学生会館アネックス』もあります。関東、関西で当社では現在13の留学生会館を運営しています。

――学生さんは日本語をどのくらい話せますか?

趙:日本語を習ってから留学した学生さんもいますが、6割くらいはほとんど日本語を話せないですね。

住み込みで管理をしている林声明さん。取材当日、奥様は春節で帰省中
食堂そばには生活のための注意事項が掲示されている

――林さんはどういったサポートをされているんですか?

林:まず、この寮へのアクセスがわからない学生さんは空港まで迎えに行きます。生活習慣としてはごみの捨て方などから教えます。靴を脱いでスリッパを履くところはどこなのか、電車の乗り方、区役所の手続きなどのほか、携帯電話が欲しい場合は、携帯電話ショップにも同行します。

――とても細やかなんですね! 確かに、言葉がまだおぼつかない状況で区役所や携帯電話の手続きを一人で行うのはとても大変でしょうね。

林:銀行口座の開設に同行したり、病気のときは病院まで付き添ったりします。

――病気で言葉が話せない状況で付き添ってくれる方がいると助かりますね。確かに「ただ留学生向けに貸し出す」ではダメで、その上にいかに留学生をサポートするかというソフト部分があるかが大切なんですね。

圧倒的に「足りない」留学生向け物件

男子寮ではシャワーは共同、女子寮では各個室に設置されている

――学生に人気の設備はありますか?

趙:Wi-Fi(無線インターネット接続環境)ですね。この寮もWi-Fi設備を完備していて、入居後すぐにインターネットに接続できます。ネットが使える環境じゃないと入居したくない、という学生も今はとても多いです。

――若い世代の生活においてネット環境が必須条件になっているのはどこの国でも同じなんですね。

趙:日本への留学生は増えており、こちらの会館にも4月からの入居希望があったのですが、満室でお断りしてしまっています。留学生会館を当社としても増やしていきたいですね。

――留学生会館は、どのエリアが人気なのでしょうか?

趙:当社と提携している日本語学校が多い総武線、東西線エリア沿線では特に足りていません。また、日本語学校は山手線圏内に多いので、留学生会館も23区内が人気です。

――留学生会館のメリットについてお聞かせください。

趙:まず、オーナー様からのメリットは一棟一括借り上げになるので、入居率を気にせず一定の安定収入をサブリース契約で得られることです。もっとも、留学生会館の入居率はとても高いですが。

入居者の学生さんから見たメリットは友達ができやすいこと、そして家賃が安いことですね。(『新小岩留学生会館』の場合本館の賃料は月額36,000円、別館が38,000円)

またほかに、学生さんが通う日本語学校にしてみても留学生会館はメリットがあるんです。日本語学校は学生の中に不法滞在者が出てしまうと、学校の運営にも問題が出てしまうんです。学生さんが授業を突然欠席されたときなどは日本語学校から寮に「学校に来ていないけれど留学生会館にいますか?」と連絡が来ることもあるんですよ。寮が学生の見守り役にもなっています。

――日本語学校は、学校側がそこまでしっかり学生を管理しているんですね! 確かにそういうときに「寮」の存在がないと学生さんの所在を確認しようがないですから、学校としても助かる仕組みなんですね。

リフォームほぼなし、初期費用をかけずに貸し出せる!

洗濯機は共同スペースに置かれている

――賃貸住宅は供給過多と言われる中で、この留学生会館の「足りない」という状況は貴重ですね。

趙:はい。築20年が過ぎた3点ユニットのワンルームは、今はなかなか借り手さんがつかない状況ですが、そのような物件も留学生向け会館としてリフォーム費用をほぼかけずにそのまま再利用できることもあります。

林さんご夫妻や、地元のシルバーセンターの方により共同部分が清掃されている

――リフォーム費用をほとんどかけなくていいというのはオーナーにとって大きな魅力ですね。

趙:はい。他、今は広いリビングのある物件が人気ですので、以前に建てられていた2DK、3DKなどのリビングのない物件は入居者が決まりにくい傾向です。これらの物件も、ドミトリータイプで複数人が暮らす留学生会館として、大きなリフォームを入れずに提供できます。

こちらの新小岩留学生会館も大きく汚れていない限りは、退去後にクロスの張り替えなどは特にしていません。日本語学校は1~2年制のところが多いのですが、短期留学もあるので、3か月程度で退去する学生さんもいますので。

――リフォームして綺麗にして、その分を家賃に反映だと困る学生さんもいるでしょうから、初期費用を抑えたいオーナーと家賃を抑えて学生さんのメリットが一致した状況なんですね。

細田:日本語学校を卒業して次の住居を探す学生さんには、当社から物件の紹介も行っています。

趙:学校を卒業してから、かれこれ新小岩留学生会館で6年暮らしている方もいますよ。林さんご夫妻のように、言葉がわからずに来日した学生さんの不安を払拭してサポートする体制が整っているのが、長年留学生会館事業をしてきた当社の強みです。初期費用をかけずに、今ある物件を貸し出せるのもオーナー様にとってはメリットですので、ぜひご相談いただければと思います。


住友林業レジデンシャル株式会社

趙金軍(チョウ キングン)さん

2008年から住友林業レジデンシャル株式会社勤務。宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士。同社の留学生会館事業に設立当初から関わる。会館の学生からは「先生」と呼ばれている。

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