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Q.区分から一棟への進出を計画中。一棟の経営で注意すべきこととは?

1週間前


今月の質問

栃木県宇都宮市在住の新米大家です。自宅近くに区分所有物件2室を保有し、順調に経営しています。最近、もっとキャッシュフローがほしいと、1棟物件への進出を考えるようになりました。区分所有物件と1棟物件では、物件選びから購入・経営まで、何かと異なるところがあるのではないかと思います。事前に押さえておくべきポイントや学んでおくべき内容について教えてください。


道路づけのよい物件を選ぶことが鉄則! 

今回の回答者:落合潤也さん

サラリーマン大家さん。「RJ72号室」のペンネームにより、楽待でコラムを執筆中。2019年6月現在、1棟物件3棟、戸建て3戸、区分所有物件3室を保有している。物件のターゲットを絞り、2LDK→1LDK、和室→洋室といった大規模なリフォームを多く行っている。野立て太陽光発電所も3か所に設置している。マイナビ出版から著書を刊行予定。

落合潤也さんからのアドバイス

■ 道路づけが悪い1棟物件では、経営から出口戦略まで、無数のデメリットを生じます。

■ 一方、道路づけのいい1棟物件であれば、再建築のしやすさや売却益が期待できることなど、さまざまなメリットがあります。

■ 1棟物件の経営では、修繕の時期やタイミング、予算など、さまざまなところで大家自身の判断が求められるため、経営者としての感覚が不可欠です。


まず、1棟物件の選定では、道路づけのよさが最重要ポイントとなります。なぜなら、道路づけが悪い物件には、さまざまなデメリットが生じるからです。例えば、前面道路が4m未満の物件では、建築基準法の規定により、建て替えをする際には、前面道路から4m以上離して物件を建てる必要があるため、建て替え前よりも建築面積を縮小せざるを得なくなってしまいます。また、そもそも狭い道路に接した土地には、それほど大きな物件は建っていないはずです。すると、家賃収入も少ないため、融資を使って購入した場合、キャッシュフローは潤沢には出ないでしょう。大きな建物に建て替えようとしても、狭い土地は再建築不可であることが珍しくありません。そうした物件は出口も見つけにくい上、保有していると金融機関の評価に悪影響を及ぼすこともあります。文字通り、最悪の物件です。

一方、前面道路が広い土地であれば、仮に建物が小さかったとしても、大きい(それだけキャッシュフローが多い)物件を再建築することが可能です。また、建築条件がいいと、高値での売却も期待できます。

次に、1棟物件の経営では、すべての指示が大家の判断となり、相当に手間がかかります。例えば、清掃は管理会社さんに依頼するのか、大家が直接、清掃業者さんに発注するのか、あるいは、大家自身が行うのか。また、集合ポストやインターフォンといった設備の更新や、屋根の塗装や外壁の修繕を行う時期、予算、発注する業者さんなど、さまざまな判断に迫られます。このように、1棟物件の保有者には「経営者」としての感覚が欠かせません。


経営方法を自分で自由に工夫できるところが、1棟物件の醍醐味!

今回の回答者:星野陽子さん

ユダヤ人富豪の義父に学び、7億円の不動産資産を築いた投資物件(7億円)などの資産を築いた賃貸経営者。翻訳家や執筆活動でも活躍中。2019年7月現在、3棟と区分所有物件2室を保有している。

星野さんの公式サイト

『お金の不安から自由になって幸せな女になる』(祥伝社黄金文庫)

星野陽子さんからのアドバイス

■ 事前に長期間の経営シミュレーションをシビアに行い、収益性のある物件を購入しましょう。

■ 「立て替えて売却」「更地にして売却」など、物件の購入前にさまざまな出口戦略を立てておくことが大切です。

■ 管理を管理会社に一任するだけではなく、自分で設備更新や修繕計画を立て、資金管理を行うと、経費の節減につながります。


私も最初は、区分所有物件(中古ワンルームマンション)を購入しました。その後、約10年の間に1棟物件を3つ購入し、去年(2018年)、中古ワンルームマンションを2室購入しました。そうした私の経験から気がついたことをお伝えします。

1棟物件の購入には、金融機関の融資を使うケースが多いかと思います。どんな物件にどんな金融機関がどんな条件で融資をしているのかを知っておくと、やみくもに金融機関を探す手間が省けますので、私は不動産投資セミナーで出会った仲間たちと情報交換をしました。

購入にあたってのポイントは2つあります。1つ目は、長い期間での経営のシミュレーションをシビアな条件で複数回行うことです。例えば、金利であれば、2%、3%と1%ずつ上げながら、6%くらいまでシミュレーションすることをお勧めします。2つ目は、出口戦略を必ず考えておくことです。次の購入者に売却するという出口以外にも、さまざまな出口を想定しておきましょう。具体的には、建物が古くなったら、①建て替えて経営を続行②建て替えて売却③建物を壊し、駐車場として経営④建物を壊し、更地として売却といった方法が考えられます。また、法人で賃貸経営をしているのであれば、不動産を所有する法人を売却してもよいでしょう。

管理についてですが、区分所有物件では管理組合があり、ご自分で管理しないで済んだかもしれません。1棟物件の場合には、管理会社に任せることもできますが、一通り日頃の管理業務や、定期的に行う配管清掃・消防設備点検などを知っておき、設備更新や修繕計画を立て、資金の管理をするとよいと思います。私は一つひとつの業務にかかる費用の見積もりを取り、検討して経費の削減に努めています。

1棟物件を保有した後、あらためて区分所有物件を保有すると、区分所有物件は融通がきかないと感じます。例えば、管理組合は業者さんの提案をほぼそのまま受け入れ、修繕などを行っています。そのため、運営費用が高くなり、物件の収益性が下がってしまいます。また、民泊禁止など、経営の自由度が低いことにも、ストレスを感じます。自分の裁量によって資産価値を向上させたり、収益を上げたり、経営を自由にできたりすることができるのが、1棟物件の醍醐味だと思います。

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