閉じる

忙しい中でも可能な入居者募集の工夫

1週間前

上田太郎さん(サラリーマン大家)

会社員を経て、2001年より千葉市内の私立中高一貫校に理科教員として勤務。化学と進路学習を担当。2009年、区分1室を購入し、不動産賃貸業をスタート。2014年、前橋市、小山市で物件を購入。2015年、小山市の物件が、関東・東北豪雨により床上浸水。賃貸経営の危機に陥るも、なんとか復旧。2017年、甲府市に新たな物件を購入。


サラリーマン大家の上田と申します。群馬、栃木、山梨にRCマンション計3棟を所有しています。昼職は、私立中高一貫校の化学の教員で、勤務先了承の上で大家業を行っています。進路学習の一環としても役に立つかなと思い、時間が取れれば生徒にも投資や不動産の話をすることがあります。今回は、教員の仕事と並行しながらも物件の高稼働を保つ秘訣について、お話しいたします。

入居者募集で有効な考え方や方法とは?

大家としてスタートしたばかりの方が、不動産会社さんがいうようには順調に空室が埋まらないなんてこともあると思います。また、このご時世ですから、入居者募集については、関心の高い大家さんが多いことと思います。

私も、入居者募集については、本やセミナーなどで学び、さまざまな試行錯誤をしてきました。その中で、特に有効だったと思われる考え方や方法についてお伝えしたいと思います。

ガラガラ物件から高稼働物件へ

私は、入居率の低い1棟マンションを同じ年に2棟購入して、本格的な大家業を開始しました。購入した当時、1棟は入居率50.0%、もう1棟は入居率55.6%の状態でした。現在は、それぞれ入居率96.9%、入居率100%です。

初心者だった私は、不動産会社さんの話を信じて、最初は管理会社さんに任せて埋めてもらいました。確かに、購入後しばらくは、管理会社さんに頑張っていただいたおかげもあり、空室がどんどん埋まっていきました。しかし、あるところで止まってしまい、なかなか満室に至りません。また、部屋が埋まってもまた空きが出ます。購入1年後の入居率は、1棟目は87.5%、2棟目が83.3%です。

本を読む、管理会社さん以外にも(物件を購入した不動産会社さんのアフターサービス)相談するなど、いいと思ったことを取り入れてみたところ、即効性はありませんでしたが、そのうち退居数よりも新規入居数が増え、高稼働に至りました。特に、最近埋まった部屋の入居者さんは、すぐ近くの物件から引っ越してきたファミリーでした。自分の物件の競争力を実感できた件でした。

この後、空室を埋めるのに役だった具体的な考え方や方法についてご紹介します。ただし、空室を埋める方法は、物件の立地や特性によってさまざまだと思います。私の経験も、所有物件の個別の事情に合わせたものですので、その点はご了解の上、読んでいただきたいと思います。

管理会社さんの強みや特徴を把握する

物件の管理や入居者募集をお願いしている管理会社さんの業務には、建物管理・入退居の管理、メンテナンス・清掃、入居者さんへの対応とコミュニケーション、入居者募集(営業)などがあります。どの管理会社さんも、一通りの業務を普通のレベルなら行えます。(それができないと、おそらく生き残っていません)

その中で、管理会社さんごとに、得意な業務や強い業務があると思います。入居者募集に関して特に強い管理会社さんでなければ、大家さんが自分で行動して、空室を埋める努力が必要だと思います。

私の場合、1棟目の物件の管理会社さんは、募集の力が強力だったので、募集のターゲット層を変更することで、うまく埋まっていきました。

この物件は、賃料が3万円強、36㎡~42㎡の広めのワンルームです。管理会社さんの提案により、外国人のルームシェアを認めて募集しました。その結果、ベトナム人やネパール人の学生や若者が2人か3人で入居するようになり、その仲間の口コミもあって、高稼働な物件になりました。物件のある群馬県前橋市は外国人の受け入れを積極的に行っているので、それともうまく合致しました。現在は、全部屋数の3分の1以上に外国人の方が住んでいます。生活習慣の差などによるトラブルについても、管理会社さんがよく対応してくれます。

2棟目の管理会社さんは、入居者募集の面は強くない感じがしたので、この物件については自分でかなり動きました。

自分で動いて空室を埋める方法

ここからの話は、管理会社さんや他の不動産屋さん(仲介会社さん)にも入居募集をお願いすることが前提となります。仲介会社さんが入居させた場合、管理会社さんには仲介手数料の一部が入り、残りが仲介会社さんに入ります。仲介会社さんには、大家から広告費が支払われます。

まず行うのは、条件設定です。入居者像=ターゲット層を決定し、募集賃料などを決めます。これは、管理会社さんの他、物件近隣の不動産会社さんに電話で聞いてみましょう。

なお、設備などに不足があれば、強化します。入居者募集に競争のある地域では、内見者がまず部屋に入った際、「きれいな物件だな」と思わなければ、まず決まりません。各種賃貸ポータルサイトで、自分の物件と同等の部屋の賃料などを確認し、相場どおりか、やや低めくらいに賃料を設定します。

次に、空室を埋めていく作戦です。入居希望者さんたちが、自分の物件に入居するまでの流れを三つのステップで考えます。

ステップ1
入居希望の方がインターネットから、または来店して不動産屋さん(管理会社さん直接も含む)にアクセスする

ステップ2
不動産屋さんが推してくれて、内見に来てくれる

ステップ3
内見の結果、部屋を気に入り、申込を入れてくれる。キャンセルにならずに契約・入居に至る

新規入居数は、それぞれの頻度のかけ算の値に影響されます。一般的には、それぞれの頻度を上げる方法がいくつかあり、それらを自分の物件の立地と特性、ターゲット層に合わせて実践していくことになります。なお、実際の対策は、ステップの番号の逆順になります。

・ステップ1への対策

とにかく不動産会社さん(仲介会社さん)への営業です。自分の物件が「決めやすい空室」として、広く認識されるようにがんばります。本やセミナーでよく出てくる方法として、物件近くの不動産会社を回って名刺と手土産を渡してお願いするというものがありますが、正直、サラリーマン大家さんには厳しいと思います。効果が出るには2か月に1回程度は回る必要がありますが、なかなかその時間が取れないと思います。私も、一度だけやってみて、それっきりです。何回も行くのは無理でした。

お勧めなのは、定期一斉メール作戦です。物件の最寄り駅から2駅ほどまでの不動産会社さんを検索し、リストを作ります。私の場合、25店舗ほどのリストを作りました。そのリストのアドレスすべてに2週間に1回程度の営業メールを一斉に送ります。内容は、物件名、空室番号と賃料等の入居者向けの条件、広告費(AD)、仲介手数料分配率、物件の画像、HPへのリンク、物件画像データの添付、管理会社さんと自分の連絡先などです。

この一斉メールは、自分の物件に空室があることを不動産会社さんへアピールするものです。このメールによって、不動産会社経由で各種賃貸ポータルサイトに掲載・情報が更新されます。また、営業マンの方々に印象づけることで、他の物件目当てにきたお客さんに、自分の物件が紹介されやすくなります。もちろん、管理会社さんから各仲介業者さんへの連絡は届いているはずですが、このメールによって宣伝効果があがります。

(一斉メールの例)


営業ご担当者さま各位

いつもお世話になっております。

○○市○○(○○駅徒歩○○分、○○駅からは車で○○分)のマンション 「○○○○○○」の家主、○○○○○○ です。

現在、○○号室、○○号室の2室が入居者募集中です。

広告料は、家賃○○か月分をお支払いしますので、ぜひ、ご協力をお願いいたします。

インターネット、ホームページ、情報誌など、すべて掲載OKです。

貴社HPや賃貸ポータルサイトへの情報掲載を、ぜひ、お願いいたします。

客付募集条件:

 仲介手数料(入居者負担)(客付○○%/元付○○%)

 AD○○か月(客付100%)

賃貸募集条件: 礼金 円 敷金 円 フリーレント か月 

賃料保証加入と鍵交換、家財保険料は入居者負担

○○号室(○○平米)

  ・・・家賃       円、共益費    円 駐車場     円

○○号室(○○平米)

  ・・・家賃       円、共益費    円 駐車場     円

外国籍の方、高齢者、生活保護の方、事務所使用、SOHO、借り上げ社宅、ルームシェア、短期貸しなど、条件が合えばOKですので、お気軽にご相談ください。(フリーレントやキャンペーンは適用されない場合があります。)

物件概要・アピールポイント:

立地・構造:

間取り:

設備:

内見までしていただければ、決まりやすい物件かと思いますので、ぜひ、お客さまへのご紹介をお願いいたします。より決まりやすくなる条件などがありましたら、ご教示いただけると助かります。

鍵は現地のキーボックスにあります。(暗証番号は管理会社さんへお問い合わせください)

非公開サービス(ネットや店頭での公開は不可)としてシングルマザー世帯対象に家賃○○円引きも行っていますので、該当の方と思われる場合は持ちかけてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

リンク:

 FBページ: 

 管理会社HP: 

 家主作成HP: 

 360°画像リンク集: 

お問い合わせ:

     (管理会社)○○○○ TEL               メールアドレス

     (家主)○○○○○○  TEL 


・ステップ2の対策

仲介会社さんに存在を知ってもらったら、自分の物件を推し物件決め物件にしてもらう必要があります。労力が少なく、高額な広告費が取れる物件は、営業マンさんにとってもおいしい物件になり、非常に決まりやすくなります。

そのためにも魅力的な広告費が重要です。広告費は、大家から仲介会社さんに直接支払う費用になります。管理会社さんと相談して、できるだけ全額が仲介会社さんに渡るようにします。

地域にもよりますが、最近は広告費1か月が普通なので、1.5か月や2か月、または1か月+2万円などにします。家賃が6.5万円の部屋なら、広告費8万円とか10万円などのキリのいい数字にする手もあります。とにかく、相場より少し多めにすることが重要です。私の場合は、1か月早く決まれば元は取れると考え、がんばって2か月に設定しました。

もう一つは、自分の物件を「案内すれば決まりやすい物件」にしておくことです。これは、ステップ3への対策を兼ねます。

・ステップ3への対策

まず、初期費用は抑えます。礼金・敷金は0・0にし、保障会社を利用することでリスクヘッジをします。また、フリーレントを1か月つけるのも有効です。

内見に来ていただいたお客さんの目線で見て、家賃と比べて何らかのお得感があれば、入居決定に至りやすくなります。そこで、お得感のある設備を整えておきます。私の場合、ファミリー物件には、モニターつきインターホン、追い炊き機能つきのお風呂、温水洗浄便座、エアコン1台、インターネット無料をつけています。ちなみに、特に決め手になっているのは、インターネット無料です。浴室乾燥機もつけていると評判はいいものの、コストがかかるので考えものです。

また、当然ですが、空室の壁クロスや床CF(クッションフロア)などはきれいな状態になっていないといけません。必要があれば貼り替えます。

コストが許せば、畳の部屋はCFに変えます。和風かアジアン風のCFにすれば、天井や押し入れが和風のままでもOKで、コストを抑えることができます。最近は、畳の部屋がない「全洋室タイプ」の方が決まりやすい傾向が強いです。

和風の洋室

また、LED照明(シーリングライト)を各部屋とリビングに設置し、内見時に一斉に点灯してもらっています。LED照明は調光・調色機能つきで明るいものを使っています。明るく見せるのがいいか、電球色などで落ち着いて見せるのがいいかは、ターゲット層にもよると思います。私の場合は、明るくさわやかに見せる方針です。

窓には、紫外線カット機能のあるレースカーテンをつけておきます。紫外線から室内を守るだけでなく、内見時の見栄えがよくなります。特に、夜の内見時には部屋が明るく見えて印象が良くなります。レースカーテンだけでなく、通常のカーテンをつけるかどうかですが、結果としてはレースカーテンだけでいいと思っています。取りつけてある照明器具やレースカーテンは、外してほしいとの要望がなければ、そのまま使ってもらっています。

それから、各部屋や設備などの特徴をアピールするポップを各所に貼ります。写真用の用紙にプリンターで印刷し、切り抜いて両面テープで貼ります。例えば、モニターつきドアホンには、「モニターつきなので、来訪者の顔が見えて安心です!」、エアコン近くには「エアコンつきで快適!」。給湯のリモコン近くには、「便利な追い炊き機能つき!」、トイレには、「今や必需品! 温水洗浄便座つき!」、インターネットのジャック付近には、「インターネット無料! 入居したその日から使えます!」などです。ライバルに勝ちやすくなる文言も考えて作ります。

ポップは、内見に同行してくれる営業マンさんの説明の手間を省いてくれます。手がかからずに決まる物件として認識されれば、決まりやすくなると思います。また、ライバル物件に対して、自分の物件の優位性を印象づける効果も期待できます。

キッチン

なお、インターネットについては、ルーターのデモ機を置き、QRコードによってその場でスマホ接続できるようにしています。ルーターは希望があれば、新品(安価品ですが)をプレゼントすることもあります。

次に、空室のモデルルーム化・ステージングについてです。これは、空室の一つに、ラグやテーブル、ソファ、小グッズなどを置き、生活イメージを湧きやすくする手法です。これについても、さまざまな方針・方法があり、いくつか試してみました。詳しいことはまた機会があれば書きます。

一般的なサラリーマン大家の場合、いろいろと置いてしまうと、満室になって撤収したときに家具やグッズなどの管理場所に困ります。私の場合、自宅などにある程度の収納スペースがあるものの、現在、あふれかえってしまい大変な状態です(満室の代償としてのうれしい悲鳴ですが)。トランクルームを借りる手もありますが、無駄なコストがかかります。最近は、ステージングはすっきりとシンプルに行うのがいいと思っています。

以下は、現在の自分の感覚です。どちらかというと、やり過ぎに近い形で設置してきました。次に空室ができたら②の方針で行う予定です。

部屋は、68㎡の3LDKです。

① やり過ぎ
玄関にマットとスリッパ、ウエルカムボード。2部屋にラグとイケアの小さいテーブル、LDKにダイニングテーブルセットとソファ、フェイクグリーン、TV台・ダミーテレビ、小物・ぬいぐるみ。カーテンはレースと通常の二重。洗面台、浴室、キッチンは、適宜、小物などで装飾。

栃木マンション リビング

栃木マンション 玄関

栃木マンション 洋室①

栃木マンション 洋室②

② ちょうどいい
玄関にマットとスリッパ、ウエルカムボード。1室にラグとテーブル、1室にラグとクッション。LDKにはラグとテーブル、フェイクグリーン、小物・ぬいぐるみ。カーテンはレースのみ。洗面台、浴室、キッチンは、適宜、小物で装飾。

入居者募集に有効だった方法(まとめ)

・募集に強い管理会社さんの場合、相談してターゲット層を変えてみる

自分で動く場合、一斉メール作戦はお勧め

・人気設備の導入は有効(特にインターネット無料)

・効果的なポップ貼り。ステージングはある程度シンプルに

・賃料は相場並みか少し低めに設定し、礼敷は0・0。広告費は少し高めに設定する

以上、自分の経験や方法を書いてきました。物件個別の事情はあると思いますが、お役に立てれば幸いです。

あなたにおすすめの記事

新着記事

お電話でも受付中

入力方法が分からない場合など、お気軽にお問い合わせください。

0120-112-180

無料!お電話で問い合わせる

受付時間:9:30~18:00
月~金曜日(祝日・年末年始を除く)