閉じる

融資を受ける前の4つの準備と融資判断となる3原則がキモ

1週間前

半沢大家

現役の銀行員大家。2018年以降、1年間で計4物件、融資を使って購入。現在アパート3棟、駐車場用地1筆を保有し、家賃年収は1,700万程度。不動産購入での銀行融資付を得意とし、投資家からの個別相談を受け、銀行打診の指南を行っている。


はじめまして、半沢大家と申します。 この度はよろしくお願いいたします。 賃貸経営を行う際、ほとんどの方が金融機関からの融資が必要になると思います。なぜなら、不動産は高額な買い物であり、自己資金だけで購入できる方は限られるからです。

しかし、融資を利用するためには、いくつかのハードルを越える必要があります。昨今のニュース、不正などにより、不動産経営に対する融資姿勢は厳しさを増しているからです。

また、融資は使い方によっては賃貸経営を成長させる抜群の成果をもたらしますが、逆に自身に刃を向けるもろ刃の剣でもあります。 借りられれば大丈夫、物件が買えれば大丈夫というものではありません。諸条件が合ったものになっているか? 長期的に返済が可能か? を見つめ直す必要があります。

そんな銀行融資を攻略するため、現役銀行員兼不動産投資家である筆者が解説を行います。

融資を受ける前にやるべきこととは?

賃貸経営に不可欠な融資について、大家目線だけでなく、現役銀行員の目線も交えてお話ししていきます。私自身、特段属性が高いわけではなく、放っておいても融資が付くような身分ではありません。はじめは融資謝絶も経験しましたし、今でも工夫をしてやっと承認を得ているような状況です。一定以上の実績を残した上級者を除き、現在は数年前に比べてより融資が厳しくなっており、自己資金の投入が必要な局面になってきていると思います。

そんな状況ですが、融資は自身の努力・工夫により攻略可能な分野であると、私は考えています。銀行員も不動産のプロではないため、賃貸経営について完全に理解しているわけではありません。相手の立場に立った申し込みができれば、少なくとも他の投資家よりも1歩、2歩有利なスタートを切ることができます。 また、金融機関も営利企業である以上、貸出残高を欲しています。貸せる要件が整えば、金額が大きく、担保が取れ、返済が長期にわたる不動産案件は有り難い案件なのです。

昨今の不正などにより、金融庁からの監視が厳しく、不動産融資が絞られています。その結果、取り上げられる案件数が限られ、属性・自己資金の面でも融資承認のハードルが上がっています。賃貸経営を行う上で、融資条件の悪化は手痛い情勢といえます。健全な賃貸経営を行うためには、いい条件での融資を引くことは不可欠です。

では、どうすれば、いい条件での融資が引けるか。 これからわかりやすく解説していきたいと思います。

融資を受ける前に必要な4つの準備とは?

融資を受ける前の準備として、私は以下の4つが大切であると考えています。

1.賃貸経営を数字で把握する

2.自身の属性、資産を洗い出す

3.購入物件のエリアを定める

4.強み、賃貸経営への思いをストーリーにする

この4つのポイントについて、順に説明していきたいと思います。

1.賃貸経営を数字で把握する

銀行は基本的に経営実績を数字で判断します。 業者に任せる場合も含め、事業計画書は必須であり、計画を数字で語る事が融資を受ける上でとても大切になります。 銀行員の目線に立ち、「なぜこの人は、この借入を問題なく返済できるのか?」を数字で語れるようにしましょう。

そして、いきなり大切な話をさせていただきますが、銀行には融資判断の3原則が存在します。 なお、この3原則は賃貸経営に限らずですが、常に銀行融資において重要視されます。

その3原則とは

①使途(お金の使い道、借りる理由)
②財源(どのようにお金を返すのか)
③保全(万が一返済が止まった時、銀行はいくら回収できるのか?)

です。

① の使途では、ストーリー的な面もありますが(私はこれを文系的な評価と呼んでいます)、②③は基本的には数字で語られる分野です。
② の財源では「返済比率」「家賃下落予想」「家賃相場」の予測が不可欠ですし、
③の保全では「担保評価」「相場の価格」を示す事が不可欠です。

これらをクリアする計画書を作成するためにも、賃貸経営を数字で認識し、語れるようにしましょう。

2.自身の属性、資産を洗い出す

これも、融資を引くために重要な作業になります。 なぜなら、銀行は基本的に物件の評価、収支だけで融資を判断する事は無いからです。 同じ物件でも、年収・自己資金・勤務先などにより融資結果が異なることは当然あり得ます。

財源を維持するには、当然、給与収入が高い(キャッシュフローの余力が多い)方が返済は継続しやすくなりますし、万が一破綻してしまってもほかに換金できる資産があれば銀行は万が一の際、回収できない、ということが無くなります。(なので、共同担保に提供できる不動産をお持ちの方は強い、というわけです)

この属性・資産ですが、自身の正確な数字を把握することはもちろんですが、他にアピールできる資産がないか、よく考えてみましょう。

例えば、収入であれば

  • 家族・親族の収入の合算
  • 社宅に住んでいて居住費が安い
  • 児童手当などの他の収入源

などは検討することができます。

また、資産であれば預貯金だけでなく、

  • 家族の預金
  • 保険、金融商品
  • 退職金の予定金額
  • 財形預金
  • 無担保、あるいは残債が少ない不動産(持ち家)
  • 親族からの相続予定

など、その気になればプラスの材料はいたるところに転がっています。当然親族であっても非協力的な方もいるでしょうが、可能な範囲から探してみましょう。

3.物件のエリアを定める

これについてはじめから定めない方もいるかもしれませんが、内容次第でターゲットとすべき金融機関が変わってくるので重要な要素になります。 いい物件であれば全国どこでも、という方もいるでしょうが、金融機関の選択肢が狭まり、癖のある融資結果となる可能性が上がります。

ある程度エリアを絞り物件の購入を行う方は、利用可能な金融機関を定めましょう。 一定の地域でしか融資が出せない金融機関と取引するということは、その時点で、一つのハードルをクリアしたことになります。結果として、エリアという関門を突破し、全国にいるライバルより一歩前に出ることができます。

ましてや、自身の出身地・居住地で賃貸経営を行おうとする方にとっては、まさに地域密着金融機関とのマッチングにふさわしい相手です。ぜひ、相性が合いそうな金融機関に的を絞ってみてください。

※地域性がマッチしていても、銀行の情勢により不動産の門戸が開かれない可能性は十分ありますので、落ち込まないようにしてください。

4.強み、賃貸経営への思いをストーリーにする

これは先ほど書いた、資産・エリア性のほかに、強みを洗い出す作業になります。 誤解を恐れず言えば、借入をして物件を購入し、客付けを行えば、賃貸経営自体は誰でもできてしまいます。しかし、賃貸経営にも自身の強みを乗せればより優良なビジネスとして昇華する可能性があります。

例えば、DIYが得意な方、デザインが得意な方、客付けができる方、普段のサラリ―マンの業務が生かせる方など、ライバルがまねできない強みがあれば、あなたの賃貸経営はより強固になります。

その強みを、ストーリーをもって銀行に説明できれば、銀行の融資担当の興味を引き、承認への成功率も上がると考えられます。

※実際に担当者の熱意で案件が動くことは多々あります。文系的な評価の一例ですね。

せっかく銀行に計画書をアピールするので、自身の強みについても整理しておきましょう。それを人生の流れの中で、ストーリーを作り、相手の共感を呼ぶことができればなおよいですね。

まとめ

さて、以上が融資を受ける前の準備として有効な作業です。就職活動の自己分析のようですが、賃貸経営者として資産を積み上げていくのですから、遅かれ早かれ必要な作業になるかと思います。

繰り返しになりますが、安定した賃貸経営を行うためには「良質な物件」「良質な融資条件」が欠かせません。今回の一連の作業を経て、自身の戦闘力を認識したら、次は銀行に焦点を当てましょう。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」

次回以降は銀行を知るための記事を掲載します。お楽しみに!


あなたにおすすめの記事

新着記事

お電話でも受付中

入力方法が分からない場合など、お気軽にお問い合わせください。

0120-112-180

無料!お電話で問い合わせる

受付時間:9:30~18:00
月~金曜日(祝日・年末年始を除く)