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独自のメソッドで荒れ果てた空き家に命を吹き込む大家さん 【広之内友輝さん 】

5ヶ月前

属性に課題があってもうまくいく賃貸経営のコツ、教えます!

広之内友輝さん

空室ばかりでガラガラ、設備がボロボロのガラボロ物件を中軸に据えた賃貸経営で、年間約8,000万円もの家賃収入を得ているスーパー大家さん。それが、今回ご紹介する広之内友輝さんだ。しかし、賃貸経営を始める直前には、事業に失敗し、人生に絶望していたという。ガラボロ物件の選定や修繕のポイントなどを具体的に語っていただき、「賃貸経営は資産家だけが可能なビジネス」という「常識」を打ち破った広之内メソッドの全容を明らかにする。


スーパー大家ヒストリー

2000年代後半、年収約500万円のサラリーマン生活をやめ、宿泊業に挑戦。ところが、思うようにいかず、約7,000万円の負債を抱え、人生を諦めかける。

その後、知人から公売物件の情報を得て、賃貸経営をスタート。

ガラボロ物件を修繕し、競争力の高い物件へと再生させるメソッドを確立。

2019年3月現在、北海道を中心に20数棟300室以上の物件を保有。約8,000万円の年間家賃収入を得ている。


ガラボロ物件を修繕し、20%以上の高利回り物件へと再生させる

私は、賃貸経営を始めてから現在までの10年ほどの間で、出身地である北海道を中心に保有物件数を20数棟、300室以上に拡大しました。そして、いずれの物件でも高入居率を実現。年間8,000万円前後の家賃収入を得ています。しかし、以前は「生きていても仕方がない」とまで思い詰めていました。というのも、年収約500万円のサラリーマン生活を投げ打って挑戦した宿泊事業に失敗し、約7,000万円もの負債を抱えてしまったからです。そうした逆境にあった私が賃貸経営で立ち直り、効率よく資産を形成することができました。その最大の要因は、空室ばかりでガラガラ、設備がボロボロなガラボロ物件の活用です。

このガラボロ物件の強みは、大きく2つあります。1つは、立地がよくても、低価格で購入可能なこと。もう1つは、少し手をかければ、物件としての競争力を大きく高められる可能性が高いことです。

例えば、私が北海道室蘭市に購入した築約25年(築年数は購入時現在。以下同様。)のアパートは、近くに国立大学があり、学生さんの入居が期待できるなど、立地に恵まれています。普通に考えれば、数千万円の売値がついても不思議ではありませんが、私はこの物件をわずか1,500万円ほどで手に入れました。破格だった理由は、前オーナーの管理に問題があり、室内がひどい状態だったからです。さらに、全18室中半分が空室という入居率の低さも、売値を押し下げていたでしょう。購入前に内部を見てまわりましたが、どの部屋でも鼻についたあの臭いは忘れられません。部屋中にカビ臭さが漂っており、キッチンには排水口から立ち上る悪臭が充満していましたし、壁や床の汚れも目立ちました。当時の家賃は、その地域で最も低く設定されていましたが、こんな状態で放置されていては、家賃をいくら下げても入居づけは難しいでしょう。そこで私は、購入後すぐ清掃業者さんに依頼し、空室すべてにクリーニングを行いました。そして、フローリングやタイルカーペット、腰壁の張り替えといったリフォームを施しました。リフォームには、業者さんにお願いした作業もありますが、DIYで済ませたところもあります。業者さんへのお支払いや自分で購入した部材など、クリーニング&リフォーム費用の総額は約100万円でした。この程度のことをしただけですが、どの部屋も見違えるほどきれいになりました。そして、家賃を2割ほど上げ、地域の相場と同じかやや低い程度にして募集しましたが、1室また1室と入居が決まっていき、やがて満室になりました。この物件は今でも高入居率で稼働を続けており、20%前後の利回りがあります。

私が所有している物件の中でも特に収益性が高いのは、北海道苫小牧市にある、1K30室の2棟アパートです。購入前には、何と26室が空いているという異様な状態だったこともあり、2棟で約2,100万円と冗談のような低価格でした。しかし、広い駐車場がついており、車で10分ほどの距離には大型スーパーがあるなど、立地は魅力的でした。また、部屋に入ってみると、壁の汚れや傷みはひどいものの、風呂・トイレ別であり、洗面所や洗濯機置き場も設けられているなど、1Kにしてはゴージャスな作りでした。とても約86%もの空室が生じてしまう物件だとは思えなかったので、物件の売買の仲介をしている不動産会社さんに事情を問い合わせたところ、意外な事実を教えてくれました。当時のオーナーは経営に意欲を失っており、何年間も修繕を全く行っておらず、なおかつ、募集さえ停止していたそうです。私は「修繕して募集すれば必ず入居づけができる」と判断して早速購入し、リフォームを行いました。費用は部屋の状態によって異なり、清掃と壁紙の張り替えなどで済んだ部屋は10万円代でしたが、排水工事などの大規模な修繕が必要だった部屋は50万円ほどかかりました。そうして募集したところ、私の予想通りすぐに満室になりました。この物件の年間の家賃収入は900万円、利回りは約33%に達しています。こうして、私が保有する物件の中でも屈指の高利回り物件となりました。

【修繕の例】

修繕前

修繕後

修繕できないガラボロ物件もあるため、物件の事前チェックは不可欠!

室蘭市や苫小牧市のアパートのように、単に管理の悪さが原因でガラボロ化している物件は、修繕によって高利回り物件へと再生させやすい「磨けば輝く宝石」だと言えます。しかし、ガラボロ物件には、修繕できない「ただの石」もあるため、注意が必要です。例えば、基礎部分が傷んでいたり、シロアリがいたりする物件は、物理的に修繕が不可能なことがあります。あるいは、修繕できても、莫大な費用がかかってしまうことも少なくありません。そうなると、修繕費を回収するまでに何年も必要になってしまうため、実質的には修繕不可能だと言えるでしょう。

ガラボロ物件は修繕できなければ収益が全く期待できないため、物件の状態の事前チェックが経営の鍵を握る最重要ポイントとなります。そこで私は、気になるガラボロ物件を見に行く際、必ず管理会社さんに同行をお願いし、修繕の可否について判断してもらったり、必要になる修繕費をその場で概算してもらったりしています。そして、物理的・実質的に修繕可能だと判断した物件だけを購入しています。

物件の状態をチェックする際、私は基本的に、同じ地域の別の物件でお世話になっている管理会社の担当者さんに同行を頼みます。しかし、自分が業務を依頼している管理会社さんがいない地域の場合は、仕事で親しくしている管理会社さんから、その地域の管理会社さんを紹介してもらいます。管理会社さんには全国的なつながりがあり、そうしたネットワークを通した紹介を受けていれば、初見の賃貸経営者に対しても適切なアドバイスをしてくれます。そのため、既に物件を経営している方は、まずは仕事上のお付き合いがある管理会社さんに相談してみてください。

まだ物件を経営していなかったり、物件を自主管理していたりして、管理会社さんとのつながりがない方には、気になるガラボロ物件の周辺で開業している複数の不動産仲介業者さんを訪問し、物件を購入すべきかどうかを判断するための情報収集をすることをお勧めします。その際のポイントは2つあります。1つは、訪問の礼儀として、菓子折などの手土産を必ず持参すること。もう1つは、不動産仲介業者さんに当事者意識を持ってもらえるよう、「自分はその物件の購入を考えており、購入したら御社に入居づけをお願いしたい」とはっきり伝えることです。私の経験では、この2つを押さえると、現オーナーの管理に問題があるかどうかなど、ガラボロ化している原因についての具体的で有益な情報が得られる確率が高まります。

また、ガラボロ物件がある地域の信用金庫さんから融資を引こうとしている場合は、融資の相談をする際、物件の状態についても質問してみるとよいと思います。信用金庫さんは地域の物件について非常によく把握しています。実際、私は、「あの物件は構造に問題があり、冬になると水道管が凍るので、止めたほうがいいですよ」というありがたい情報をもらい、購入を見合わせたことがあります。構造上の問題を改善するためには莫大な費用がかかり、短期間での回収は絶望的だからです。

修繕についての検討では、「どこにいくらかかるか」を適切に把握できるよう、複数のリフォーム業者さんから見積を取りましょう。ガラボロ物件なので、修繕したい箇所は無数にあると思いますが、そのすべてを業者さんに発注するとお金がいくらあっても足りません。そこで私は、入居づけに大きく影響するポイントであり、DIYでは対応が難しい風呂・トイレ・キッチンの修繕を最優先で発注しています。最も修繕費がかかる場所ですが、私はなるべく50万円以内に抑えられるよう工夫しています。例えば、新たにプロパンガス会社さんと契約すると、サービスとして水回りを修繕してくれることがあります。実際、私は、プロパンガス会社さんにバスタブやボイラー、便器などを無料もしくは格安の値段で新品に交換してもらいました。また、給湯器を無償でリースしてくれるプロパンガス会社さんも少なくありません。そうしたサービスが受けられるかどうか、地域のプロパンガス会社さんに相談してみることをお勧めします。一方、風呂・トイレ・キッチン以外の修繕は、DIYで乗り切れることも少なくありません。例えば、錆びた手すりにペンキを塗ったり、汚れた壁紙を新品に貼り替えたりするだけで、物件の印象は大きく変わります。予算に余裕がない場合は、可能な作業はDIYで済ませるのも方法です。

100万円代で購入できるガラボロ物件はたくさんある!

現代社会は、変動が激しく、今後の予見が非常に困難になっています。日本は、今のところまだ経済的に豊かな状態を保っていますが、年功序列の給与体系を見直したり、大規模なリストラを断行したりする大企業は珍しくなくなり、「大企業に入れば安泰」といった以前の「常識」は、もはや通用しません。そうした社会変化の中で、自分と家族の安全・安心な暮らしを守るには、給与以外に収入源を確保する重要性は、ますます高まっているでしょう。そこで活用すべきなのが、賃貸経営だと私は考えています。なぜなら、株式投資やFXなどよりも、遥かに安定した収益が見込めるからです。

賃貸経営は、一般的に「資産家だけが可能なビジネス」というイメージがあると思います。確かに、好立地で設備の充実した物件を購入できるのは、自己資金が豊富であったり、金融機関から巨額の融資を引けるほど高属性であったりする人だけでしょう。しかし、ガラボロ物件であれば、さきほどお話ししたように、立地に恵まれた物件を低価格で購入可能であり、購入後に設備の課題を改善できることが少なくありません。だからこそ、事業に失敗し、負債を抱えていた私にも、収益性の高い賃貸経営を実現することができたのです。

「日本の人口が減少する中、賃貸需要も下がり、経営が成り立たなくなるのでは?」と不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、人口減少が続いている市町村であっても、賃貸需要の高いエリアは存在します。例えば、国立大学や市町村役場、大きな病院などの周辺です。そして、賃貸需要の高いエリアにもガラボロ物件は存在し、購入することができます。

現在、日本の空き家は増え続けており、「無料でいいから家屋を引き取ってほしい」という所有者からの要望が日常的に寄せられる自治体が少なくありません。そうした自治体では、空き家等対策協議会を設置し、地域の空き家についての情報を管理しています。自治体に問い合わせをし、協議会に加盟している不動産会社さんを紹介してもらえば、ポータルサイトには出ていないガラボロ物件の情報を不動産会社さんから直接、得ることができます。そうした情報を得るためにも、まずは自分の実家があったり、親戚が住んでいたりするような人的つながりのある地域に、空き家等対策協議会が設置されているかどうかを確認してみましょう。また、地域の空き家情報を掲載しているウェブサイト(いわゆる空き家バンク)もあります。その1つである「一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN)」が運営するサイト(URLは下記参照)では、全国から空き家を検索できます。空き家等対策協議会や空き家バンクを活用すれば、数万〜100万円代の物件を購入できることも難しくありません。私は、ある地方都市に2LDKのリゾートマンションを6万円で手に入れました。

一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN)

賃貸経営には、目的に応じて無数の方法があります。ガラボロ物件の活用も、あくまで方法の1つに過ぎません。しかし、ガラボロ物件は、自己資金で購入可能なものが多いため、属性に課題があり、金融機関から融資を受けにくい方、融資に心理的な抵抗がある方には、とても強い味方です。そして、ガラボロ物件の購入と適切な修繕を繰り返していけば、着実な資産形成につながると私は実感しています。


明日からまねしたいスーパー大家のワザ

土地勘のないエリアの賃貸需要の有無を把握するワザ

土地勘のないエリアで物件を経営する第一歩は、そのエリアの賃貸需要の有無を適切に見極めることです。まずは、客観的なデータによる情報収集に力を入れましょう。私が最もよく活用しているのは、総務省統計局が5年ごとに作成・公表している「住宅・土地統計調査」です。これを見ると、全国の市町村別に空室率が把握できます。次に、データ上で空室率の低い市町村に足を運び、現地調査を行います。具体的には、自分が購入を検討している物件と同じようなスペックの物件を見てまわり、空室が実際にどの程度あるかをチェックします。空室を判断するポイントは、電気のメーターやガスの元栓です。空室が3割以上あると感じたら、私はその地域での物件購入を見合わせています。

不動産会社さんと信頼関係を築くワザ

物件の情報はある程度でしたら不動産ポータルサイトでも得られますが、サイトにアップされない情報も少なくありません。お買い得な物件の情報ほど、いわゆる “川上”で処理されてしまうと言えます。“川上”の情報を得るためには、不動産会社さんとの信頼関係構築が欠かせません。そこで大切になるのが、「物件を買いたい」という意思をはっきりと伝えることです。例えば、単に「よい物件があったら連絡してください」ではなく、求める物件の築年数や間取り、価格などを具体的に伝えなければなりません。もちろん、直接訪問して伝えたほうが効果的ですが、突然押しかけると先方の迷惑になるので、必ずアポイントを取って訪問しましょう。手土産も忘れずに。

経済的で、なおかつ効果的な修繕を行うワザ

ガラボロ物件では、修繕したい箇所があちらこちらにあり、きりがなくなります。そこで、「どこにお金をかけるか」だけではなく、「どこに目をつぶるか」を考えることも重要です。私の場合は、汚れがひどくない限り、天井は修繕しません。なぜなら、内見者さんは天井をあまりチェックせず、入居づけへの影響力が低いからです。ほかにも、キッチンの傷みがそれほどなければ、全面的な修繕は行わず、蛇口やレンジ台といった、内見者さんの目につきやすい箇所を新品に交換して済ませることもあります。


広之内友輝さんの著書

『貯金100万円から月収50万円生活‐はじめての人が地方×格安不動産でお金の自由を手に入れる5つのステップ』( ぱる出版 )

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