「とちぎ大家の会」の代表を務める2代目女性大家さん【村田佳子】さんにインタビュー|賃貸経営・部屋を貸すならマイナビ賃貸にお任せ!

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「満室」や「黒字」の秘訣を知る! スーパー大家の「賃貸経営」術

大家さんにとって最大の目標は、「満室」や「黒字」経営ですよね。不動産を購入するだけで儲かる時代ではありませんから、不動産取得後の管理がとても大切です。そこで、“スーパー大家”として活躍されている方々に、「満室」や「黒字」経営を目指すために、どのような工夫をされているのかをうかがいました。

「とちぎ大家の会」の代表を務める2代目女性大家さん

時代や社会の変化の「一歩先」を見通すことが、今後の賃貸経営の鍵となる!

村田佳子先生

日本の地方都市の賃貸需要は、人口の減少に伴って低減傾向にある。そうした厳しい状況の下、危機に直面した賃貸経営を見事に再生させ、満室にしたスーパー大家さんが、栃木県宇都宮市にいる。今回ご紹介する村田佳子先生だ。当初は不動産にほとんど興味がなかったという村田先生だが、どのように賃貸経営メソッドを練り上げていったのだろうか。大家としての歩みの中で得た、気づきと学びを聞いた。

【村田先生が代表を務める「とちぎ大家の会」のフェイスブック】     

リーマンショック後、半数近くが空室に! 必死の思いで入居率回復を図った

私は、義父(夫の父)から賃貸物件を引き継いだ2代目大家です。村田家は栃木県宇都宮市で農業を営む地主でしたが、義父が1980年代に農地を宅地に転用。1棟アパートを建て、賃貸経営を始めたのです。私は電機メーカーの宇都宮支店でフルタイムの事務職をしていましたが、仕事の合間に “村田家の嫁”として義父を手伝いました。


もともと農地だった場所なので、交通の便があまりよくないなど、立地条件には課題がありましたが、当時は同市の人口が今より遥かに多く、賃貸需要も高かったため、賃貸経営は順調でした。物件数も増やしていき、10棟約60室まで拡大しました。ところが、いわゆるバブル崩壊後の長期経済不況や首都圏への人口流出などの影響により、どの物件でも入居率が次第に低下。そして、2008年のリーマンショック後には、減給やリストラなどにより、一人暮らしをやめて実家へ帰る人が増えたためか、半数近くが空室になってしまったのです。それでも当初は、しばらくすれば入居が決まるだろうと楽観していましたが、入居率が回復する気配は一向になく、むなしく時間ばかりが過ぎていきました。今、振り返れば、市内には義父の物件よりも立地条件がよく、ずっと新しい物件が珍しくなくなっていました。そうした変化に応じられず、十年一日のような感覚で賃貸経営を続けてきた結果が顕在化していたのです。


家業の賃貸経営が危機に直面し、私は何とかして改善策を立てようと、まずは現状把握の一環として空室内を見ることにしました。お恥ずかしい話ですが、私が義父の物件内部を見るのは、その時が初めてでした。管理会社さんとの窓口は私が務めていましたが、当時は賃貸経営に正直あまり興味がなかったので、管理会社さんに管理を任せきりにしていたのです。1室1室を見て回る中で、どの部屋にも不自然さを感じました。例えば、ある部屋は、ドアを開けると、玄関と台所がつながったスペースになっています。もともとは同じ色のフローリングシートで統一されていたはずですが、真ん中あたりを境にして別の色のフローリングシートに替えられていました。さらに、リビングの白い壁紙には、パッチワークのように別の色の壁紙が貼られていました。それらは、もちろん床や壁紙の汚れや破損への処置でしょうが、室内の色の調和を奪い、強い違和感をもたらしてしまっていました。また、床が汚れ、壁紙が黄ばんだまま放置されている部屋も少なくありませんでした。すべての空室を見終わった時には、「こんな状態では内見者さんに選ばれるわけがない」と情けなくなるとともに、管理会社さんに管理を丸投げし、チェックを怠ってきた自分の責任を痛感しました。これが、私が賃貸経営を自分事として捉え、真剣に取り組み始めたきっかけです。


当時、栃木県では大家さん同士の交流がほとんどなく、信頼できる相談相手がいなかったため、私はインターネットや書籍などから得た情報を基に、物件づくりを工夫していきました。特に重視したポイントは、2つあります。1つは、清潔感を出すことです。具体的には、空室のフローリングシートと壁紙はすべて張り替えました。そして、仕事が休みの土日・祝祭日を中心に空室へ足を運び、掃除を徹底。風を通した上で、掃除機をかけ、窓ガラスは曇りのないよう拭きました。さらに、玄関にアロマ・ディフューザーを置き、常に内見者さんをさわやかなハーブの香りでお出迎えできるようにしました。また、共用部分の清掃もこまめに行い、特にゴミ置き場は毎週必ず整頓しました。なぜなら、物件の入り口近くにあって目立ちやすく、散らかっていると物件全体のイメージダウンになると考えたからです。


もう1つは、内見者さんが入居後の生活をイメージできるようにすることです。そこで、家具量販店で購入したテーブルや椅子などを室内に配置。テーブルにはクロスをかけ、グラスや花瓶を置きました。会社勤めの合間を縫って私が1人で行ったことですから、モデルルーム化と言えるほど大それた作業ではなく、ちょっと手間をかけたに過ぎません。しかし、家具を少し置くだけで、見違えるほど部屋の雰囲気が変わることを実感しました。


物件づくりと並行して、入居づけにも力を入れました。手土産とマイソク持参で、おつき合いのある不動産仲介業者さんを定期的に訪問し、「うちの物件をよろしくお願いします」と、ご挨拶をすることにしたのです。そうした営業活動を通して、村田家の物件が生まれ変わりつつあることが仲介業者さんの間に浸透すると、次第に内見者さんが増えていきました。部屋を気に入って入居を決めてくださる方も多くなり、村田家の物件の入居率は、少しずつですが着実に向上していったのです。

ついに満室経営を実現! その秘訣とは……?

2011年、私は電機メーカーの事務職を早期退職しました。35年以上続けた会社勤めでした。当初は、再就職をせず、専業大家になってもよいかなという思いもありましたが、たまたまハローワークに地域の不動産会社から事務職の求人がきているのを見つけ、応募を決めました。年齢的な課題から、採用される見込みに乏しいことは承知の上でした。それでも挑戦することにしたのは、物件と入居者さんの縁を取り持ってくださる不動産仲介業者さんの業務に、以前から関心を抱いていたからです。面接では、自分の賃貸経営の経験を詳しく述べるとともに、不動産仲介の現場で働きたいという強い思いを伝えました。すると、結果は何と合格! 社長が私の意気込みに興味を持ったことが採用の決め手になったと、入社後に聞きました。そうして不動産会社勤務の賃貸経営者という人生が開幕しました。そして、2013年にはハートエントランスという別の不動産会社へ移籍し、現在に至ります。


不動産会社に勤めるようになると、賃貸経営に役立つ気づきがいくつも得られました。例えば、物件探しに見えたお客様からご希望をうかがっていると、「どのような物件に需要があるのか」が把握できました。その1つが、賃貸戸建てです。「戸建ての賃貸物件ってありませんか?」とお尋ねになるお客様は多いものの、ご紹介できる物件はほとんどなく、供給不足を感じました。そこで、戸建て数戸の新築に踏み切ったのです。以前から保有している1棟物件に空室が残る中、新たに物件を増やすのは勇気が要りましたが、「競合物件が少ない今がチャンスだ」と考えました。そうした予測は的中し、いずれの戸建ても完成後すぐに入居づけができ、長期入居が続いています。


また、信頼できるリフォーム業者さんにも、不動産会社での業務を通じて出会いました。プロからアドバイスが得られるようになり、費用対効果の高いリフォームにつながりました。例えば、ある物件には和室の雰囲気が何となく暗いという課題があったので、その業者さんと改善策を協議。明るさを演出できるよう、和室のドアにキラキラ光るダイノックシートを貼るとともに、色調に統一感を出すべく、畳の縁をダイノックシートと同じ色に変えることにしました。すると、和室から暗さが消え、物件全体がより明るくなりました。


そうして業者さんと二人三脚でリフォームを強化する中、村田家の物件の空室はさらに減少していきましたが、なかなかゼロにはなりませんでした。「なぜ満室にならないのかしら?」と自問を重ねた末、仲介業者さんへの感謝の気持ちが足りなかったことに気づきました。先ほどお話ししたように、私は物件の仲介をお願いしている業者さんに直接ご挨拶する機会を定期的に設けています。また、入居が決まった際には、あらためてお礼を申し上げてきました。しかし、自分の心を掘り下げていくと、その根底には「空室を埋めたいから挨拶をしよう」「空室を埋めてくれたからお礼を言おう」という利己的な考えがあったのだと思い至りました。意図してはいませんでしたが、深層心理が言動に表れ、お礼やご挨拶も、何となくおざなりなものになっていたのかもしれません。賃貸需要が低下している中、立地条件に課題がある物件の仲介に力をお貸しくださるのは、大変なことです。広告費を十二分にお支払いしているとは言えないので、業者さんはなおさらご苦労が多いに違いありません。本当にそう思っているのなら、「村田家の物件のために動いてくださること」自体に感謝しなければならなかったと反省しました。


それ以来、私は意識を改め、心から「いつもありがとうございます」と申し上げるようにしています。そうした中で、ついに満室が実現しました。業者さんが意気に感じて入居づけを強化してくださったのだと思います。他者への感謝の大切さを実感するとともに、賃貸経営は人と人とのつながりによって成り立つビジネスだと確信しました。

賃貸経営の「今」を把握すべく、不動産業界の生の声に積極的に接する

不動産会社での勤務は電機メーカーよりも時間の自由が利いたため、私はあちこちの賃貸住宅フェアなどに積極的に参加し始めました。他地域の不動産仲介業者さんや管理業者さん、建築業者さんといった賃貸経営に携わるさまざまな人たちの生の声になるべく多く接し、賃貸経営の「今」を適切に把握したいと考えたからです。そうした情報収集の一環として、大家会にも参加するようになりました。もっとも、私の地元である栃木県には大家会がなかったので、茨城県や千葉県、東京都などの大家会に足を運びました。


一般的に大家会には、目的や方法が異なる多くの賃貸経営者が集まります。例えば、老後の生活に備えるべく、自己資金でコツコツと物件を買い増している大家さんもいれば、レバレッジを利かせて1棟物件を多く保有しているメガ大家さんもいます。さらに、区分所有物件を1室購入したばかりという初心者の方や、これから賃貸経営を始めようとしている方も少なくありません。そうした多様な人たちとの交流は、非常に刺激的です。例えば、以前参加したある大家会では、ベテラン大家さんからリアルな失敗談をうかがい、身が引き締まる思いがしました。インターネットや書籍では得られなかった踏み込んだ内容だったので、聞き入ったことを覚えています。また、ベテラン大家さんから、実践的なノウハウを伝授される初心者の方も目立ちます。


私にとって最も大きな刺激となったのは、1から資産を築いていった賃貸経営者の方々に共通する、満室経営へのこだわりです。空室が生じた原因を徹底的に追究し、解決策を練り上げていく姿勢と意欲を目の当たりにし、圧倒されたことが忘れられません。地主大家である私の頭の片隅には、正直、「1室くらい空室でもいいか」といった甘い感覚がありましたが、シビアに入居率100%を目指さなければならないと、意識改革につながりました。先ほどお話ししたように、私は満室を実現できましたが、もしも大家会に参加していなかったら、空室をゼロにしようというモチベーションは生まれなかったかもしれません。

魅力的な物件づくりを通して、地域の活性化に貢献していきたい

他地域の大家会に参加する中で、私は「自分の地元にも、大家さん同士が切磋琢磨するコミュニティをつくりたい」という思いが強くなりました。そこで、2015年、前述したハートエントランスの社長の支援を得て、「とちぎ大家の会」を発足させました。リーマンショック後、賃貸経営と真剣に向き合うようになった当初、私は孤独を感じていました。インターネットや書籍からしか情報が得られず、相談できる相手がいなかったからです。とちぎ大家の会では、そうした思いをする人がいなくなることを目指しています。そのため、どなたでもご参加いただけるようにしました。県外の大家さんはもちろん、物件をお持ちでない方も大歓迎です。


時代や社会の変化に伴い、求められる物件も変わっていきます。人口減少が進む地域で賃貸経営を続けるためには、入居者さんのニーズの動向をいち早く把握し、それに応じた物件づくりが不可欠です。そうしないと、かつての村田家の物件のように、深刻な経営危機に陥ることになりかねません。そこで、とちぎ大家の会では、「一歩先を行く大家であり続けよう」というスローガンを掲げ、参加者さんの視野を広げる活動に力を入れています。具体的には、選ばれ続ける物件づくりのノウハウなどを学ぶべく、賃貸経営で活躍中の先生方による講演会を積極的に開催。事後には懇親会も必ず行い、参加者さんが講師の先生と自由に交流できる場としています。さらに、物件づくりの多様なアイデアに触れられるよう、マイクロバスで全国各地の賃貸住宅フェアや賃貸経営セミナーなどを回るツアーを実施することもあります。


2019年7月現在、村田家では1棟アパート・戸建てを合わせて56室を保有し、おかげさまで満室経営を続けています。しかし、周囲には空き家が少なくありません。家は、人が住むためのものです。私は空き家を見ると、家が泣いているように感じ、かわいそうになります。時代や社会の変化の「一歩先」を見通し、魅力的な物件づくりが盛んになれば、他地域からの移住者が増え、空き家を減らすことができるでしょう。大家会の活動を通して、街づくりや地域の活性化に貢献していきたいと考えています。

明日から真似したいスーパー大家のワザ

1

物件づくりのアイデアを得るワザ

多くのお料理を食べている人のほうが、お料理を工夫しやすくなりますよね? 物件づくりも同じです。さまざまな物件を見ることが、物件づくりのアイデアを生む源泉となります。実際、私は、不動産会社の業務でお客様を内見へご案内する際、内見先の物件に施されたリフォームや飾りつけなどから、村田家の物件づくりに活かせる工夫をいくつも学びました。なるべく多くの物件を見られるよう、賃貸住宅フェアやモデルルームなどに積極的に足を運ぶことをお勧めします。

2

入居づけにつながるリフォームのワザ

リフォームの最重要ポイントは、清潔感を出すことです。そこで、内見者さんの目にとまりやすい壁紙は、どの物件でも必ず貼り替えています。万が一、褪色や黄ばみなどがあると、物件全体のイメージを大きく損ねてしまうからです。基本的には、フローリングシートも新しくしますが、床は壁紙ほど目立たないため、汚れていなければ、張り替えないこともあります。

こうした基本を押さえた上で、ターゲットとする入居者さんの年齢層に応じた工夫をすることが大切です。私の場合、例えば単身者向けの物件では、若い人の心に刺さるよう、明るい色のアクセントクロスを多用しています。

3

入居者さんのゴミ捨てマナーを改善するワザ

1棟物件を保有している大家さんから、「ゴミ置き場が散らかりやすくて困っている」という相談を受けることがあります。そうした時は、ゴミの収集日や回収業者さんの連絡先、注意してほしいポイントなどをまとめた「ゴミ捨てマニュアル」を作成し、入居者さんに配布するようアドバイスをしています。英語訳を添えると、外国籍の入居者さんにも理解していただきやすくなると思います。私も、入居者さんのゴミ捨てマナーに悩まされた時期がありますが、マニュアルを配布したことで、改善されました。

スーパー大家ヒストリー

2008年、リーマンショックの影響で、村田家保有の賃貸物件10棟約60室の 物件の半数近くが空室に。電機メーカーでフルタイムの仕事をしながら、“村田家の嫁”として、家業の賃貸経営改善を目指した奔走がスタート。

インターネットや書籍からの情報を基に、清潔感を重視した物件づくりを推進。また、手土産とマイソク持参で地域の不動産仲介業者を訪問し、大家自身による営業活動を開始。そうした中、入居率が少しずつ回復していった。

2011年、電機メーカーから不動産会社へ転職。2013年には、ハートエントランスという別の不動産会社へ移籍。現在も勤務中。

不動産会社の業務で得た情報を賃貸経営に役立てていった。例えば、賃貸戸建ての需要の高さに注目し、新築することを決めた。

2015年、ハートエントランス社長の支援により、「とちぎ大家の会」を発足させ、代表に就任。

2019年7月現在、1棟アパート・戸建てを合わせて56室を保有。満室で経営している。

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