寒くなると、風邪やインフルエンザ、ノロウイルスなどの病気が心配です。日頃から予防に努めることは大事ですが、どうしても防ぎきれないことは誰にでもあります。いざ病気にかかってしまったときのための備えについて考えます。
■薬、食べ物・飲み物の備え
一人暮らしで病気にかかってしまうと、体調が悪くて動けず、必要な薬や食べ物、飲み物が欲しくても買い物に出られない状態になってしまうことがよくあります。
総合感冒薬や解熱鎮痛剤、胃腸薬などは、急な病気のために備えておくと安心な薬です。ただし、市販薬には、病気の細菌・ウイルスによる症状を和らげる効果が期待できますが、直接効くものではありません。薬を飲んでも症状が改善されない、長く治らないという場合は、医療機関にかかることをおすすめします。
また、食欲がないときには無理に食べる必要はありませんが、脱水症状を防ぐために飲み物だけはこまめに補給することが大事。スポーツドリンクやゼリー飲料、また少し元気になって食欲が出てきたときのためにレトルト食品や冷凍食品も常備しておくと安心です。長期保存できる飲食料品は、災害時にも役立ちます。
■病院の備え
自宅や職場、学校などから通える病院を調べておきましょう。急に病院にかかりたくなったとしても、休診日に当たってしまうこともあるので、いくつか目星をつけておくと安心。また、本当に体調が悪いときに初めての場所に行くのは、近所であっても大変なことも。近所を通りかかったときにでも、病院の前まで行って場所を確認しておくと、迷うことなく向かうことができ、より安心です。
「身体が動かない」「意識がおかしい」など、「起きあがれない」「部屋から自力で出られない」ときには、救急車を呼びましょう。インフルエンザでは、大人でも意識障害やけいれんなどが起こることもあります。救急車を呼んでいいのか判断がつかないときには、各自治体で『救急相談窓口』を設けています。元気なうちに番号を控えておき、電話に番号登録しておくと、いざというときに便利です。
■入院の備え
インフルエンザやノロウイルスがひどくなってしまうと、入院しなければならないこともあります。入院となると、支払いが高額になってしまうことも。また、場合によっては、その間仕事ができずに、収入が不安定になることも考えられます。
近くに頼れる家族がいない一人暮らしであれば、病気に限らず、数ヶ月は生活できる程度の貯蓄を用意しておきたいもの。また、いざというときの健康や生活のサポートとなるような保険に入っておくというのもひとつの手。保険サービスは多彩なので、わかりにくいところもありますが、現在の自分が支払える金額で必要な保障が備わっているか確認しながら選びましょう。
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー:河野真希
ウェブや雑誌など各種メディアで、料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを目指すライフスタイルを提案。著書に『ひとり暮らしの季節ごよみ』(祥伝社)、監修本に『家事のお手本-大人のたしなみ賢いくらし(泉書房)』『頑張らなくても素敵に暮らせる「夜だけ家事」で快適シンプル生活(双葉社)』などがある。河野真希オフィシャルサイト