「民法改正が与える賃貸借契約への影響と留意点」セミナーレポート
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「民法改正が与える賃貸借契約への影響と留意点」セミナーレポート

(配信日時 2018.07.06/更新日時 2018.11.28)
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民法の一部を改正する法律が成立し、2020年4月1日から改正民法が施行される。民法制定以来、約120年ぶりに債権部分を大幅に見直し、改正内容は約200項目に及ぶと言われているが、不動産の賃貸借契約にはどのように影響するのか。6月13日の「賃貸住宅フェア2018」内で開催された、弁護士法人ALG & Associates シニアアソシエイト 山室裕幸氏の講演をご紹介する。

明文化された判例法理や一般的見解

まず最初に、山室氏は判例法理や一般的見解について紹介。現行民法は1896年に公布され、1898年に施行された。以来債権関係の規定(債権法)に関する大きな変更はなかったが、この度約120年ぶりに債権法の大幅改正が実現し、2020年4月1日から施行されることとなったという。

いわく、「結論から伝えると、賃貸借契約に与える影響はあまり大きくありません。今回の改定は、現在までの実務に沿った内容です。新設のルールは少なく、法に沿った実務を行っているのであれば、特に大きな問題はないでしょう。ただし、少なからず影響はあります。その影響を理解することでさまざまなリスクを回避しましょう」とのこと。

まず、改正民法における「賃貸借に関する規定」では、実務において定着していた裁判所の判例法理や学説が明文化されたという。重要な点では、敷金に関する条項、修繕義務に関する条項、原状回復に関する条項、賃貸人たる地位の移転に関する条項があった。

①敷金に関する条項

現行民法では、敷金の定義・法的性質・返還時期等について言及した条項がなく、裁判の判例で示された考え方が現場において定着していた。改正民法では、現在までに定着してきた敷金の定義や返還時期等を明記した条項を新設し、敷金に関するルールを明確化。敷金に関する判例法理や一般的見解を明文化したにすぎず、賃貸借の実務において敷金の取り扱いを変更する必要はないという。

②修繕義務に関する条項

現行民法は、賃借人(借り主)の過失や故意によって修繕を要する状態となった場合でも賃貸人(貸主)に修繕義務が発生するか否かを明記していないため、トラブルの原因になっていたとのこと。改正民法では、現在の多数説を採用し、賃借人(借り主)の過失や故意によって修繕が必要になった場合は賃貸人(貸主)が修繕義務を負わないことを明文化した。

③原状回復に関する条項

現在は賃借人(借り主)が原状回復義務を負担する損傷の範囲について言及した条項がなく、判例で示された考え方が賃貸借の実務において浸透しているという。改正民法では、賃借人(借り主)が原状回復義務を負担しない損傷として、「通常の使用および収益によって生じた賃借物の損耗」、「賃借物の経年変化」、「賃借人の責めに帰すことができない事由によるもの」を除外することで、定着している判例法理の考え方を明文化した。

④賃貸人たる地位の移転に関する条項

現行民法では、賃貸物である不動産の所有者が変わった場合、賃貸借契約はどう変化するのかについては特に規定されていないという。改正民法では、所有者たる賃貸人(貸主)が賃貸物である不動産を譲渡した場合における判例法理を明文化し、賃貸人(貸主)たる地位も新所有者に移転することと定めた。

山室氏は、これらは前述の通り、100年以上前に制定された民法に対し、現在までに裁判所が示した判断や実務上定着してきた考え方に沿って改正を行い明文化したにすぎないと語った。

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新設・変更されたルール

続いて、山室氏は新設・変更されたルールについて語った。「賃貸借に関する規定」には新たなルールが設けられ、従来ルールの一部が変更されたという。

また、「保証に関する規定」も、個人の保証人を保護するための新ルールが設けられた。この点が賃貸借の実務に与える影響があるということで、山室氏は詳しく説明を加えた。

①賃料債務等の個人保証に関するルール

Ⅰ:根保証契約に係る規律の適用
改正民法では、個人が保証人となる根保証契約(個人根保証契約)の一般化について、根保証契約の規律の適用対象が拡大されたという。個人が賃借人(借り主)の保証人となる場合、保証の極度額を定めない限り、保証の効力が生じない=保証契約が成立しないことになるという。

※根保証契約:一度の契約でその後に発生する債務にまでも保証責任を負う制度

「改正民法では、いくらまで保証するかといった具体的な金額を明記しなければならなくなります。現在の契約書には極度額の記載がないため、2020年4月以降も同じ契約書を使用してしまうと保証契約が成立しなくなってしまうため、注意しましょう。

オーナーは極度額をなるべく高額に設定したいと思われるでしょうが、保証人となる個人の方は高額だと不安に感じられるでしょう。低額に設定した場合は回収できないリスクも発生します。今後は個人保証が利用しにくい状況となり、さらに保証会社の利用が拡大すると見られています」

Ⅱ:個人保証人に対する情報提供義務
改正民法施行後、事業用不動産に関しては、主債務者(借り主)が個人に保証の委託をする場合、主債務者(借り主)はその個人に対して自身の財産や収支の状況、主債務以外に負担している債務の有無・その額・履行状況等について情報提供を行わなければいけない。これによって、主債務者(借り主)が情報提供を行わなかったり、事実と異なる情報を提供したりしたことによって、個人保証人が情報提供の対象となる事項を誤認して保証契約を結んだ場合かつ主債務者(借り主)が情報提供を行わなかったことや虚偽の内容だったことを債権者(貸主)が知りまたは知りうる場合には、個人保証人は保証契約を取り消すことができるという。

トラブルの原因になりかねない内容のため、オーナー(貸主)は個人保証人から「主債務者(借り主)から情報提供を受けた」という内容を記載した書面を交わす等の対策が必要になってくると山室氏は強調した。

②賃貸人たる地位の移転の例外に関するルール

原則として、不動産を譲渡した場合は賃貸人たる地位も新所有者に移転することになるが、賃借人(借り主)から承諾を得ることで旧所有者に賃貸人たる地位を残すことが可能だという。しかし、このルールだと、例えば複数のテナントが入る(=承諾取得先が多い)商業施設の場合は現実的ではなくなってしまう。また、投資用不動産を取得したいけれども住民やテナントとの関わりは避けたい、空室管理はしたくない等の投資家ニーズもある。これらを受けて、改正民法では、売買対象である不動産の売り主(旧所有者)と買い主(新所有者)とが合意をすれば、(賃借人(借り主)の承諾なしで旧所有者に賃貸人たる地位を売り主(旧所有者)にとどめることが可能になるという。

山室氏いわく、今後は、不動産流動化案件における一部のスキームが簡易化したり、投資用不動産を家賃保証付きで販売したりすることが容易になる可能性があるという。

③賃貸借契約の存続期間に関するルール

現行民法では、賃貸借の存続期間は20年を超えることはできないと定められている。この場合、一般的な賃貸住宅等の契約ではあまり問題なかったが、ゴルフ場や再生開発エネルギー発電所等の長期プロジェクトの事業用地の賃貸借契約上は不便であったという。改正民法では、賃貸借の存続期間が最大50年になる。長期プロジェクトの事業用地におけるニーズの高まりに合わせての改正とのこと。

改正民法の適用対象となる契約

この改正民法はいつ時点で締結された契約から適用となるのか。まず、新規賃貸借契約を結ぶ日が2020年4月1日以降の場合は、改正民法の規定が適用される。新規賃貸借契約を結ぶ日が2020年4月1日より前の場合、改正民法施行日後に更新が生じていない状況であれば現行民法の規定が適用されるという(ただし、例外的に改正民法の一部規定が適用)。同じく2020年4月1日より前に新規契約を締結し、施行日後に更新が生じている状況だと更新の種類によって相違があるという。法定更新(借地借家法26条)の場合は現行民法の規定が適用(一部改正民法の規定が適用)、合意更新の場合は改正民法の規定が適用される。

まとめ

民法改正による賃貸借契約への影響は限定的だと見られているが、新しく設けられたルールや変更になったルールもあり、その内容や適用時期をよく理解して実務を行い、トラブルを避けるよう留意することが重要となるだろう。

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