これからの主流になるか 不動産賃貸契約における電子契約の活用

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これからの主流になるか 不動産賃貸契約における電子契約の活用 (配信日時 2018.07.27/更新日時 2018.07.27)

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2018年6月12日、13日に開催された「賃貸住宅フェア2018」で、「これからの主流になるか 不動産賃貸契約における電子契約の活用」と題したセミナーが行われた。このセミナーでは、数年前から急速に加速しているペーパレス化が、不動産業界でも可能なのか。現状などについてソフトバンクC&S 小野誠人氏が登壇し、多くの不動産関係者が耳を傾けた。

電子契約は普及するか?

小野氏によると、現在、賃貸契約における電子化は急進的には進んではいないものの、オンラインの入居申込サービスの利用は確実に増加するなど、緩やかに普及が進んでいるという。保証審査も電子化が進んでおり、賃貸契約もいずれは全て電子化になり、スマートフォンを使ってのワンストップ手続きになると予測されている。特に、この2年間で業界内での宅地建物取引業法への理解が進んだことが、電子契約が緩やかに普及してきた理由と言えるのではと語った。

また、宅地建物取引業法三十七条(書面の交付)には「宅地建物取引業者は、(中略)、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅延なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない」と記載されおり、契約書手段については定められていない、という点も「賃貸契約は電子化できる」という認識が広まってきた要因になっているとのこと。

なお、賃貸住宅の更新契約においては、宅地建物取引業の適用外となり、法的な制約がないため、さらに電子化しやすいと言われているそうだ。

※定期借家は借地借家法により契約書手段が書面と定められている。

電子契約のメリット

電子契約の大きなメリットは、封筒のやりとりがなくなることだ。通常、新規賃貸契約締結には、入居者・仲介会社、管理会社、オーナー間で6回程度の書類発送が発生するが、その内4回は賃貸契約書に関係している。

この賃貸契約書は、2部の書類に両者(貸主と借主)の捺印が必要なため、現状だと賃貸契約書のリターンが発生する。その点、電子契約なら、封筒やデータの「リレー」から「アクセス」に代わるので、仲介会社や管理会社は契約書等のデータをクラウドにアップロードし、貸主・借主・連帯保証人はそこにアクセスして電子署名を行なう作業になるので、とてもシンプルだ。

これにより、最大6回の発送と督促・回収が不要になり、新規の賃貸契約の場合、1案件あたり3000円程度のコスト削減につながる。また、作業時間は50%カット、郵送回収は67%減、締結期間は60%減と、期待される効果は大きい。コスト削減は企業にとって大きなメリットとなるが、実際は「作業効率を上げて無駄な時間をカットする」という「働き方改革」の方が不動産会社にとってより魅力的なメリットとしてとらえられているという。

電子契約への事業者対応

2019年度に導入される「法人設立ワンストップ」などを見据えて、行政面ではオンライン・ワンストップ化が進む中、新規の賃貸契約においても入居申込みから契約の自動化が進展しているとのこと。将来的には24時間以内の手続き完了が可能になり、家賃保証や家財保険の電子化やスマートフォン最適化も進行。夜も休日も異なる銀行への振込が即日反映可能になり、管理会社の「借主の入金が確認できないと鍵を渡せない」といった話もなくなるのでは、と小野氏は語る。

電子化により、「弊社の管理物件は即日鍵渡し」も可能に、または、即日とまではいかなくても、「弊社の平均契約期間はn日です」といった謳い文句は、不動産会社にとって強みとなり、他社との差別化につながっていくと考えられる。

電子契約の実践

小野氏によると、電子契約が進まない背景には、①「現行法ではやる効果がない」、②「紙が残ると意味がない」、③「普及してから始めればよい」の3つの誤解があるという。②の「紙が残ると意味がない」は、例えば、家財保険については、案内書が紙のため電子契約は意味がないと考える人もいる。しかし、フロー図に落としてみるとたった1回の郵送で済ませることができることがわかるため、電子契約は効果があることがわかるという。

③の「普及してから始めればよい」については、そういった声も多くあるが、そもそも普及とは何を指すのかが問題だ。現代では、1億人以上がスマートフォンを使用していると言われており、ある意味すでに普及していると言える。それよりも、自社内にどうオペレーションを落とし込むのかが重要になってくる。

①の「現行法ではやる効果がない」という声に対しては、現況では、マイナンバーを活用した不動産売買の電子化が優勢と言われているが、賃貸契約の電子化がノーという訳ではない。ただ、法改正には通常、論点整理から法案提出、法案施行まで2年程かかるので、賃貸契約の電子化に関しては最低でも5年程かかりそうだ、と見込まれていた。

しかし、「生産性向上と区別措置法」が施行されたことで、早期に法改正の門戸が開かれる可能性があるという。

最後に小野氏は、「賃貸契約における電子化は緩やかではあるものの、着実に進んでいるので、近い将来、全手続きがオンライン・ワンストップ化することは現実的と言えるだろう」と話し、セミナーを締めくくった。

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